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希少性の原理 きしょうせいのげんりprinciple of scarcity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

希少性の原理
きしょうせいのげんり
principle of scarcity

資源やそれからつくられるサービスの供給が,人間の欲望に対して相対的に希少であるという原理。この希少性のゆえに資源,財貨,サービスの合理的な社会配分が常に問題となり,経済学上の主要な命題となってきた。特に近代経済学はこの希少性に着目して成立した学問ともいえ,L.ワルラス以降の限界効用学説の確立,発展は,まさにこの希少性の原理の追究にほかならない。

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世界大百科事典 第2版の解説

きしょうせいのげんり【希少性の原理 principle of scarcity】

経済学において希少性とは,生産資源やそれから生産される財やサービスの利用可能量が,人間の欲望をみたすためには不足している状態をいう。すべての資源や財およびサービスの経済的価値はそれらの希少性に依存している,という考え方がかなり古くから述べられていたが,それをG.カッセルは希少性の原理と名づけた。生産資源そして財やサービスが希少であるかぎり,選択と排除という問題が生じる。限られた資源をどのような目的に,どのような方法で使用するかという選択が必要になり,また希少な資源(希少資源)を使って生産された財やサービスを一定のルールに従って分配し,分配を受けた人以外の人が勝手に使用することを排除する必要が生じる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

希少性の原理
きしょうせいのげんり
principle of scarcity英語
Knappheitsprinzipドイツ語

水は人間が生活するうえにきわめてたいせつなものであるけれども価格は低く、それに対しダイヤモンドは水ほど人間生活には必要とされないが高価である。これは、水よりもダイヤモンドが希少性をもつために高い価格がつけられるのである。このように、すべての財・サービスの経済的価値は、それらのものの希少性に依存するという説を「希少性の原理」といい、G・カッセルによって名づけられた。希少性とは、人々の欲望あるいは必要性を十分に満足させるだけの財・サービスが存在しないところから生じる。多くの財・サービスの存在量と人々がそれを充足する手段とは限られている。しかしながら、人々の充足手段は複数存在し、人々の行動目的も多様であるから、これらの間における選択および配分が重要な経済問題となる。限られた財・サービスが最適な手段を用いて最適な配分に決定されるのは「希少性の原理」に従うためであると解釈できる。[畑中康一]

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世界大百科事典内の希少性の原理の言及

【カッセル】より

…1904‐33年ストックホルム大学教授。主著《社会経済の理論》(1918)における理論的枠組みはL.ワルラスの一般均衡理論であるが,彼は価値・分配論における限界原理を排し,〈希少性の原理〉によって相対価格を説いた。《利子の本質と必要性》(1903)では,ベーム・バウェルクの資本理論を批判し,N.W.シーニアーの節欲説(制欲説)を支持した。…

※「希少性の原理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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