席巻(読み)セッケン

デジタル大辞泉 「席巻」の意味・読み・例文・類語

せっ‐けん〔セキ‐〕【席巻/席×捲】

[名](スル)《「戦国策」楚策から》むしろを巻くように領土片端から攻め取ること。はげしい勢いで、自分勢力範囲をひろげること。「市場を―する」

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精選版 日本国語大辞典 「席巻」の意味・読み・例文・類語

せっ‐けんセキ‥【席巻・席捲】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「席」は、むしろの意 ) むしろを巻くように、余すところなくかたはしから領土を攻め取ること。はげしい勢いで自分の勢力範囲を広げること。せっかん。
    1. [初出の実例]「店中の資本を席巻(セキケン)(〈注〉ヒッサラヘ)し、二人ともに那里(いづく)ともなく出去ぬ」(出典:通俗赤縄奇縁(1761)三)
    2. 「疾雷閃電の猛威を以て、中原を席捲し去りたる夢は今何処にかある」(出典:想断々(1892)〈北村透谷〉憐れむ可きは戦病国)
    3. [その他の文献]〔戦国策‐楚策・懐王〕

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普及版 字通 「席巻」の読み・字形・画数・意味

【席巻】せきけん

席をくような勢いで攻め取る。〔戦国策、楚一〕張儀~楚王にいて曰く、~(秦は)、嚴にして、將、知にして武、雖(た)だ兵甲を出す無きのみ常山の險を席卷し、天下の脊(せき)を折(くじ)かば、天下の後れてする、先づびん。

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故事成語を知る辞典 「席巻」の解説

席巻

領土を次々に攻め取っていくことのたとえ。転じて、ある分野にどんどん影響を広げていくことのたとえ。

[使用例] その映画が、西条の詩の一節コピーに使った大宣伝によって、日本中を席巻したのはつい最近のことだったからだ[沢木耕太郎一瞬の夏|1981]

[由来] 中国で古くから用いられている表現。たとえば、「戦国策策」には、秦という国は、領土が広く、兵士の数も多く、法令も整った強国だから、「軍隊を送り出すまでもなく、中国北部の中心にある常山地方を『席巻する(むしろを巻くように、片はしから次々と領土を攻め取る)』だろう」と述べた一節があります。なお、「席」は、むしろのこと。なお、「巻」は「捲」と書くこともあります。

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