出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
主君の起居する殿舎上に伺候し,身辺の諸務(宿直・陪膳など)の奉仕を許されること。内裏・院・女院・中宮・東宮などで行われたが,狭義には清涼殿南庇の殿上の間で天皇に侍する内(ない)昇殿のみをさす。歴史的にも810年(弘仁元)にさかのぼる内裏の昇殿が最も古いものであろう。なお男官の昇殿制が整うにつれ,本来的に側近奉仕を行っていた女官についても,台盤所(だいばんどころ)での伺候が昇殿と把握されるようになったらしい。
出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報
…しかも平安中・末期に入ると,公卿が特定の氏族・家系に固定する傾向を急速に強め,〈貴種〉とか〈華族〉などの用語も生まれた。第3は昇殿制の成立である。平安時代も中・末期になると,有位者の増大などによって位階の社会的評価も相対的に低下し,昇殿の制が新しい身分制として重んぜられるようになった。…
…〈どうしょうけ〉ともよむが,濁らないのが故実よみである。昇殿をゆるされた家柄の総称で,地下(じげ)に対する称。昇殿は,清涼殿南廂にある殿上の間に昇ることで,古くは個人に対して昇殿をゆるしたが,しだいに昇殿をゆるされる家柄が固定した。…
※「昇殿」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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