幻術(読み)ゲンジュツ

デジタル大辞泉 「幻術」の意味・読み・例文・類語

げん‐じゅつ【幻術】

人の目をくらます、あやしく不思議な術。妖術魔術
手品奇術
[類語]魔法魔術妖術呪術まじない

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「幻術」の意味・読み・例文・類語

げん‐じゅつ【幻術】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 人の目をくらます怪しい術。妖術(ようじゅつ)。魔法。
    1. [初出の実例]「内外文武百官及天下、有習異端積幻術、圧魅咒咀害傷百物、首斬従流」(出典続日本紀‐天平元年(728)四月癸亥)
    2. 「三明六通の羅漢もまぬかれ給はず、現術変化の権者ものがれぬ道なれば」(出典:平家物語(13C前)六)
    3. [その他の文献]〔顔氏家訓‐帰心〕
  3. 手品。奇術。
    1. [初出の実例]「傀儡之外、雲舞并幻術」(出典:雍州府志(1684)八)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「幻術」の意味・わかりやすい解説

幻術 (げんじゅつ)

目眩(めくらまし)ともいい,人の目をくらます術である。その術師を眩人(幻人)といったが,妖術,忍術,魔法,外法(げほう),あるいは奇術,手品を含み,もともと西域に起こったもので唐を通じて伝来し,天平時代にはかなり盛んになっていた。本来散楽(さんがく)中の一類で,のちに傀儡くぐつ)や放下ほうか)の徒が演じてみせた。《唐会要》の〈水激して魚竜と化す〉,《傀儡子記》の〈沙石を変じて金銭と為す〉,《信西古楽図》の〈吐炎舞〉などがこれに当たる。秀吉時代には果心居士という幻術使いが名高く,切支丹たちも幻術を使うとされた。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

普及版 字通 「幻術」の読み・字形・画数・意味

【幻術】げんじゆつ

奇術。妖術。〔西京雑記、三〕余が知るに鞠といふものり。善く幻を爲す。~立(たちどころ)に雲霧を興し、坐(ゐなが)らにして山河を爲す。

字通「幻」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android