延胡索(読み)エンゴサク

精選版 日本国語大辞典 「延胡索」の意味・読み・例文・類語

えんご‐さく【延胡索】

  1. 〘 名詞 〙 ケシ科キケマン属の草のうち、花が紫色ないし白色で地下に塊茎をもつものの総称。ジロボウエンゴサク、ヤブエンゴサク、エゾエンゴサクなどの種類がある。地下茎を干したものは鎮痛剤とされる。〔多識編(1631)〕
    1. [初出の実例]「難産の妙薬〈略〉児枕痛(あとはらいたむ)には延胡索(ヱンゴサク)といふ薬を粉にして酒にて用ゆべし」(出典女重宝記(元祿五年)(1692)三)

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動植物名よみかた辞典 普及版 「延胡索」の解説

延胡索 (エンゴサク)

学名:Corydalis turtschaninovii
植物。ケシ科の多年草,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の延胡索の言及

【ジロボウエンゴサク】より

…蒴果(さくか)は線形で,乾くとはじけて黒色の種子を散布する。ヤマエンゴサクC.lineariloba Sieb.et Zucc.は本州~九州,朝鮮,中国東北地方に分布し,エゾエンゴサクC.ambigua Cham.et Schlecht.は本州中部以北,北海道,千島,サハリン,中国東北部に産する。ともに地下の塊茎は球形で,茎は1本のみ伸び,最下の葉が鱗片となる点がジロボウエンゴサクと異なる。…

【ジロボウエンゴサク】より

…花もジロボウエンゴサクより大きく,ヤマエンゴサクは淡紅紫色,エゾエンゴサクは濃青紫色で美しく,山草家により栽培される。エンゴサク類の塊茎を蒸して乾燥したものを漢方で延胡索(えんごさく)とよび,コリダリンcorydaline,プロトピンprotopin,ブルボカプニンbulbocapnineなどのアルカロイドを含み,鎮痛,鎮痙(ちんけい)薬として用いられる。幼児はこの類の花の距をからませ,引っぱり相撲をした。…

※「延胡索」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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