選ぶ(読み)エラブ

デジタル大辞泉 「選ぶ」の意味・読み・例文・類語

えら・ぶ【選ぶ/択ぶ】

[動バ五(四)]
多くの中から目的基準にかなうものを取り出す。選択する。よる。えらむ。「贈り物を―・ぶ」「すぐれた作品を―・ぶ」「フォアボールを―・ぶ」
抜き出してその職に任ずる。選び出す。「議長に―・ばれる」
(あとに打消しの語を伴って用いる)区別する。えり好みする。「目的のためには手段を―・ばない」
(「撰ぶ」とも書く)著作を集めて書物を作る。撰する。「歌集を―・ぶ」
[可能]えらべる
[類語](1ふる選択する取捨する選定する選考する選別するセレクトするピックアップするより分けるすぐる選び出す選び取る選り出す選出する取捨選択二者択一選り取り見取り抽出/(2選任する選抜する抜擢ばってきする発掘起用登用挙用スカウトヘッドハンティング拾い上げる取り立てる引き抜く白羽の矢が立つ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「選ぶ」の意味・読み・例文・類語

えら・ぶ【選・択・撰】

  1. 〘 他動詞 バ五(四) 〙
  2. 二つ以上の対象の中から、ある目的、基準にかなうものをとり出す。選択する。えらむ。える。よる。
    1. [初出の実例]「己が夜気(やけ)授くる人をば一日二日と択(えらヒ)」(出典:続日本紀‐天平元年(729)八月二四日・宣命)
    2. 「くさぐさの歌をなん、えらばせたまひける」(出典:古今和歌集(905‐914)仮名序)
  3. ( 打消の語を伴って用いる ) 差別、区別する。
    1. [初出の実例]「貴と賤とを択(エラハ)ず」(出典:日本書紀(720)孝徳即位前(北野本訓))
  4. 才覚ある者などを特に抜擢する。官職などに任ずる。えらむ。
    1. [初出の実例]「沈裕、京に入て参り被選(えらば)ると云へども」(出典:今昔物語集(1120頃か)九)
  5. 選び集めて書物を作る。編集する。撰する。えらむ。〔書陵部本名義抄(1081頃)〕
    1. [初出の実例]「左大臣橘卿諸大夫等集りて、万葉集をえらばせ給ふ」(出典:栄花物語(1028‐92頃)月の宴)

選ぶの語誌

( 1 )動詞「える(選)」の未然形に、継続を表わす「ふ」の付いたもの。万葉仮名により、上代では、「ふ」は清音であったと考えられる。
( 2 )類似語形「えらむ」は「えらぶ」から変化したものと見られ、中古後半に現われる。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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