彦山権現誓助剣(読み)ひこさんごんげんちかいのすけだち

  • ひこさんごんげん ちかいのすけだち
  • ひこさんごんげんちかいのすけだち ‥ゴンゲンちかひのすけだち
  • ひこさんごんげんちかいのすけだち〔ひこサンゴンゲンちかひのすけだち〕

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

浄瑠璃。時代物。 11段。梅野下風,近松保蔵合作。天明6 (1786) 年大坂竹本座初演。明智光秀残党暗躍豊臣秀吉朝鮮出兵を背景に,天正 14 (1586) 年に起きたといわれる毛谷村六助の仇討ち伝説を脚色したもの。元文2 (1737) 年の歌舞伎『敵討巌流島』などの影響を受ける。特に9段「毛谷村 (六助住家) 」がすぐれ,歌舞伎でも上演される。

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世界大百科事典 第2版の解説

人形浄瑠璃。時代物。11段。角書〈御陣は九州/地理は八道〉。通称彦山》。梅野下風,近松保蔵作。1786年(天明6)閏10月大坂東芝居初演。出勤の太夫は,初世豊竹麓太夫,3世竹本内匠太夫,3世竹本政太夫,2世竹本氏太夫(のちの4世政太夫)ほか。実録《豊臣鎮西軍記》に毛谷村六助の話が伝えられているが,宮本武蔵の物語から作意を得たものともいわれる。長州藩の武芸師範吉岡一味斎は試合の遺恨により,京極内匠に闇討されて殺される。

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大辞林 第三版の解説

人形浄瑠璃。時代物。梅野下風・近松保蔵作。1786年初演。女ながらも武道の達人である吉岡家の娘お園が、許婚いいなずけの毛谷村六助の助勢を得て父の敵京極内匠たくみを討つ物語。特に九段目の「毛谷村」の場が有名で上演数が多い。六助のモデルは宮本武蔵、内匠は佐々木小次郎といわれる。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

浄瑠璃義太夫(じょうるりぎだゆう)節。時代物。11段。梅野下風(うめのしたかぜ)・近松保蔵(やすぞう)合作。1786年(天明6)閏(うるう)10月、大坂道頓堀東(どうとんぼりひがし)の芝居初演。実録『豊臣(とよとみ)鎮西軍記』などにある毛谷村六助(けやむらろくすけ)の仇討(あだうち)(1586)を脚色。長州藩の武芸指南番吉岡一味斎(いちみさい)は、御前試合の遺恨から京極内匠(きょうごくたくみ)に闇討(やみうち)され、家は断絶する。一味斎の姉娘お園は武術に優れた女丈夫で、母お幸(こう)、妹お菊とともに仇討に出立する。お菊は須磨(すま)の浦で内匠のため返り討にあい、その子弥三松(やさまつ)は逃れて英彦山(ひこさん)の麓(ふもと)に住む武芸の達人毛谷村六助に拾われる。お園は虚無僧(こむそう)姿で六助の家を通りかかり、弥三松の着物をみつけ六助を盗賊と思って切りつけるが、すぐに彼が一味斎の弟子で、お園とは許嫁(いいなずけ)の仲ということがわかる。お幸も来合わせ、最前六助の孝心を利用して仕官のための試合に勝ちを譲らせた微塵弾正(みじんだんじょう)という浪人こそ内匠の変名と知れ、一同は勇んで敵討(かたきうち)に向かう。

 九段目「毛谷村」は、早春の農家を背景に親孝行で武勇の達人六助を主人公にした快い場面なので、歌舞伎(かぶき)でも人気があり、全体の通称のようになっている。「女武道」といわれる役柄のお園の演技もおもしろい。まれに、一味斎一家の仇討出立を描いた五段目と、それ以後の場が上演される。

[松井俊諭]

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精選版 日本国語大辞典の解説

浄瑠璃。時代物。一一段。梅野下風・近松保蔵合作。天明六年(一七八六)大坂道頓堀東の芝居初演。長州藩の指南役吉岡一味斎は試合の恨みから京極内匠(たくみ)に殺され、娘お園は許嫁の毛谷村六助の助太刀で敵を討つ。六助を宮本武蔵、内匠を佐々木巖流に当てた趣向といわれ、九段目の「毛谷村」がしばしば上演される。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典の解説

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
作者
梅野下風 ほか
補作者
近松徳三 ほか
初演
寛政2.7(大坂・浅尾弥太郎座)

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