御池岳(読み)おいけだけ

日本歴史地名大系 「御池岳」の解説

御池岳
おいけだけ

町の北端犬上いぬかみ郡多賀町・三重県員弁いなべ藤原ふじわら町との境にある。標高一二四一メートル。山頂部は丸山まるやまとよばれ、ドリーネや池が形成されている。古くは雨乞のため七つの池めぐりをしたと伝え、現在はもと池・しんノ池・きた池・おはな池の四つが確認される。元池と真ノ池は一年中水をたたえ、両池の間は日本庭園と称される美しい景観で、オオイタヤメイゲツ樹林が繁茂する。昭和三〇年代末に当山の一部を多賀町が観光開発を目的に民間に売却、これを知った永源寺町ときみはた地区が訴えを起こし、双方とも史実を示し証人を立てて争った。犬上郡甲良こうら北落きたおちのお花踊で知られる雨乞神事が当山を中心に行われてきたことや、近世の「輿地志略」などの地誌で犬上郡に属すことを記すことから郡境の争論ともなったが、実地検証の結果、雨落ち(分水嶺)は神崎郡側という見解が出され、四〇年代末に和解となった。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「御池岳」の意味・わかりやすい解説

御池岳
おいけだけ

滋賀・三重県境にある鈴鹿山脈中の主峰。同山脈北部に位置。標高 1247m。山頂部は隆起準平原遺物とみられる平頂峰で,灌木クマザサでおおわれ,水のないドリーネのほか丸池,真ノ池などの池がある。山名はこれらの池に由来鈴鹿国定公園に属する。

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デジタル大辞泉プラス 「御池岳」の解説

御池岳

滋賀県東近江市にある山。標高1247メートル。鈴鹿山脈の最高峰。鈴鹿国定公園に属する。田中澄江の「花の百名山」に選定されている。

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世界大百科事典(旧版)内の御池岳の言及

【鈴鹿山脈】より

…山脈が隆起していく過程で,山脈の西側に近江伊賀断層,東側に一志(いちし)断層を伴い,東側は逆断層によってできた急崖となっており,西に緩傾斜した傾動地塊の姿をとる地塁山地である。山頂部にはところどころに過去の平たん面を残しており,最高峰の御池岳(おいけがたけ)(1241m)をはじめ御在所(ございしよ)山(1210m),釈迦ヶ岳(1092m),竜ヶ岳(1100m),霊仙(りようぜん)山(1084m)など定高性を保って並んでいる。地質は古生層の砂岩,チャート,粘板岩,石灰岩よりなるが,南部では花コウ岩類の貫入がみられる。…

※「御池岳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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