2011年の東日本大震災後、復興予算を賄うために創設した時限的な増税措置。復興特別法人税は12、13年度の法人税額に10%を上乗せした。個人向けの復興特別所得税は37年末まで所得税額に2・1%を上乗せする。個人住民税は年千円を加算している。国民全体で復興を後押しする施策で、法人実効税率の引き下げが並行して進んだこともあり、経済界から負担増への大きな反発はなかった。
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出典 共同通信社 共同通信ニュース用語解説共同通信ニュース用語解説について 情報
東日本大震災(2011)の復興財源を確保するための日本の税金。臨時の増税措置であることを強調するため「特別税」という名称になった。2012年(平成24)から順次、従来の法人税、所得税、個人住民税に上乗せする形で徴収し、復興費用や復興債の償還費用に限定支出している。全国の個人や企業から広く薄く徴収することで、国をあげて復興を後押しするねらいがある。根拠法は復興財源確保法(正称「東日本大震災からの復興のための施策を実施するために必要な財源の確保に関する特別措置法」平成23年法律第117号)と、地方財確法(正称「東日本大震災からの復興に関し地方公共団体が実施する防災のための施策に必要な財源の確保に係る地方税の臨時特例に関する法律」平成23年法律第118号)。復興特別法人税は2012年4月から2年間(当初3年の予定を短縮)、税額に10%を上乗せして徴収した。復興特別所得税は2013年1月から25年間(2037年末まで)、税額に2.1%を上乗せして徴収。財務省によると、夫婦と子供2人のサラリーマン世帯で、年収500万円の場合で年約1600円、年収1000万円で年約1万4000円の負担増となる。個人住民増税は2014年6月から10年間(2023年5月まで)、所得にかかわらず一律に課す均等割で1000円(都道府県分と市区町村分それぞれ500円)を臨時特例的に加算徴収する。国税である復興法人税と復興所得税は東日本大震災復興特別会計で通常予算とは区別して管理されている。個人住民税の復興増税は2024年度で終了するが、以降は森林整備の財源となる、同じく均等割1000円の森林環境税(国税)が課される。
復興特別法人税・所得税は主に復興債の償還費に、住民税増税分は地方自治体へ移譲して地方の防災・減災支出にあてられた。復興特別税については、復興とは無関係の支出に流用されたと会計検査院からたびたび指摘されてきた。一方で、新型コロナウイルス感染症(COVID(コビッド)-19)対策のために悪化した国・地方の財政状況の改善に向けて、広く国民に負担を求めた復興特別税を参考に財源確保すべきだとの主張もある。
[編集部 2020年11月13日]
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