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心裡留保 しんりりゅうほ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

心裡留保
しんりりゅうほ

表意者が本心 (真意) でないことを知りながらなした意思表示をいう。うそや冗談のことであり,単独虚偽表示または非真意表示ともいう。たとえば,本心では贈与の意思がないのに冗談で「これを君にやる」といったような場合である。この場合,内心的意思と表示とがくい違っているのであるが,民法は本人の責任を認め,表示どおりの法律効果を生じさせる。ただし,意思表示の相手方が表意者の本心を知り,またはこれを知ることができた場合には,その意思表示は無効である (93条) 。なお,この無効は善意の第三者には対抗できないものと解されている。 (→虚偽表示 )

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デジタル大辞泉の解説

しんり‐りゅうほ〔‐リウホ〕【心×裡留保】

表意者が、自分の本当の意思でないことを知りながらする意思表示。例えば、売る意思はないのに売買の意思表示をするなど。原則として、表示どおりの効力を生じる。

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世界大百科事典 第2版の解説

しんりりゅうほ【心裡留保】

法律上,意識的に真意と異なる意思表示を行うこと。たとえば,与える意思もないのに〈この時計をあげる〉と言うような場合である。冗談がその典型的な例。表示の内容と真意とが一致しない,いわゆる〈意思の欠缺(けんけつ)〉の一場合であるが,その不一致を表意者自身が知っている点において〈虚偽表示〉と共通し,その不一致を表意者自身が知らない〈錯誤〉と相違する。心裡留保の場合,表示と真意の不一致を知っている表意者を保護する必要はないので,民法は,表示どおりの効果が発生すると規定している(民法93条本文)。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

心裡留保
しんりりゅうほ

表示行為が、表意者の真意と異なる意味に理解されること(意思と表示とが不一致であること)を知りながらする意思表示。たとえば、本当は贈与するつもりはないのに贈与の意思表示をしたり、売るつもりはないのに売買の意思表示をする場合などである。心裡留保はその行為の効力に原則として影響を及ぼさず、その意思表示は原則として有効である。前例で、本当は贈与するつもりがなくて贈与の意思表示をした場合にも贈与は有効であり、売るつもりがなくて売買の意思表示をした場合にも売買は有効である(民法93条本文)。しかし、相手方が表意者の本当の意思(真意)を知り、あるいは注意すれば知りえたのに知らなかったときまでこれを有効とする必要はないから、このような場合には意思表示は無効となる(同法93条但書)。なお、婚姻とか養子縁組などのような身分上の行為は、心裡留保によってなされた場合には無効となる。[淡路剛久]

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