忍野八海（読み）オシノハッカイ

デジタル大辞泉

おしの‐はっかい【忍野八海】

山梨県南東部、南都留郡忍野村にある八つの湧水池。富士山の溶岩下の伏流水が湧出したもの。平成25年（2013）「富士山－信仰の対象と芸術の源泉」の一つとして世界遺産に登録された。→富士山

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

おしの‐はっかい【忍野八海】

1. 山梨県南都留郡忍野村にある湧泉群。富士山の溶岩の間を流れる伏流水が山中湖につづく忍野盆地の低湿地に湧出しているもの。湧池(わくいけ)・出口池・お釜池など、八つの池がある。

出典　精選版 日本国語大辞典

日本歴史地名大系

忍野八海
おしのはつかい

• 山梨県：南都留郡
• 忍野村
• 忍野八海

富士山の伏流水が溶岩の亀裂箇所から湧出した湧水池群。桂川の水源ともなっている湧（わく）池・出口（でぐち）池・お釜（かま）池・濁（にごり）池・鏡（かがみ）池・菖蒲（しようぶ）池・底抜（そこぬけ）池・銚子（ちようし）池からなる。古くから富士山信仰の霊場である。国の天然記念物に指定され、昭和六〇年（一九八五）には環境庁の名水百選にも選ばれた。湧池は直径一二メートル、面積一五二平方メートル、水深五メートル、水温摂氏一一・四度、湧水量は毎分四七〇リットルで湧水量は八海中で最も多い。出口池は面積一四六七・七平方メートルで八海中で最も大きい。湧水量は毎分二七〇リットル、平均水温摂氏一一度。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

日本大百科全書(ニッポニカ)

忍野八海
おしのはっかい

山梨県南都留(みなみつる)郡忍野村忍草(しぼくさ)にある湧泉(ゆうせん)。国指定天然記念物。湧(わく)池、出口(でぐち)池、底抜(そこぬけ)池、銚子(ちょうし)池、お釜(かま)池、濁(にごり)池、鏡池、菖蒲(しょうぶ)池の八つの池からなる。湧出量、季節による水温の変動もほぼ一定であり、富士山の地下水が水源と考えられている。山中湖とともに桂川(かつらがわ)の水源として、忍野村などの上水道、灌漑(かんがい)、養魚場の水源としても重要。富士講の人々が八海巡りをした霊場であった。ここからの雪の富士の展望も優れ、季節を問わず観光地となっている。2013年（平成25）に忍野八海は富士山域と周辺の神社、富士五湖等の構成資産とともに「富士山―信仰の対象と芸術の源泉」として世界文化遺産リストに登録された。富士山駅からお宮橋経由内野行きバス20分、忍野八海入口下車後徒歩5分。

［吉村　稔］

[参照項目] | 忍野（村） | 富士講

忍野八海

出典　小学館　日本大百科全書(ニッポニカ)

百科事典マイペディア

忍野八海【おしのはっかい】

山梨県忍野村忍草地内にある８つの湧水池の総称で，出口池，お釜池，底抜池，銚子池，湧池，濁池，鏡池，菖蒲池からなる。富士山伏流水の湧出点で，山中湖とともに桂川の水源となっている。関東大震災以後は湧水量が衰えたとされるが，現在でも一定の湧出量を保っており，1000m近い標高にもかかわらず冬場も結氷しない。また，富士講の霊場としても知られ，1934年には天然記念物に指定，1985年には全国名水百選も選定されたほか，富士山の構成資産として2013年には世界遺産にも登録された。富士急行富士山駅からバスが出ているほか，新宿から一部の高速バスが経由。
→関連項目忍野［村］

出典　株式会社平凡社

改訂新版　世界大百科事典

忍野八海 (おしのはっかい)

山梨県南東部，山中湖北西畔に散在する八つの湧水池。天然記念物。南都留（みなみつる）郡忍野村に属す。富士山溶岩下の不透水層に沿って流下した伏流水が溶岩流の末端近くで湧出したものとされ，桂川の源流に合流する。湧水量はほぼ定まっており，水温は14～16℃で，冬季も結氷しない。付近は富士山麓では珍しい稲作地で，灌漑用水に利用される。
執筆者：横田 忠夫

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

デジタル大辞泉プラス

忍野(おしの)八海

山梨県南都留郡忍野村にある湧水群。富士山の伏流水が湧出したもので、湧池、出口池、お釜池、濁池、鏡池、菖蒲池、底抜池、銚子池の8つの泉がある。1934年、国の天然記念物に指定。1985年には、環境庁により名水百選のひとつに選定された。2013年、「富士山-信仰の対象と芸術の源泉」の構成要素のひとつとして、ユネスコ世界遺産に登録された。

出典　小学館

事典・日本の観光資源

忍野八海

(山梨県南都留郡忍野村)
「関東・観光バスで行く名所100選」指定の観光名所。

忍野八海

(山梨県南都留郡忍野村)
「ふるさとの水辺百選」指定の観光名所。

忍野八海

(山梨県南都留郡忍野村)
「名水百選」指定の観光名所。

出典　日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」