快楽原則(読み)カイラクゲンソク

世界大百科事典 第2版の解説

かいらくげんそく【快楽原則 pleasure principle】

精神分析の用語。〈快感原則〉ともいい,〈現実原則〉と並んで心的機能を支配する基本原則の一つ。S.フロイトの用語に〈恒常原則principle of constancy〉という概念がある。これは,人間の心的装置が,内在する興奮の量をできるかぎり低く,あるいは少なくとも恒常に保つように努めているという仮説である。フロイトの説く楽原則は,この恒常原則からさらに導き出されたもので,人間の心的過程は,本来,緊張に基づく不快を回避し,空想または現実の満足によってその緊張を低下させることによって快を得ようとする,とされた。

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大辞林 第三版の解説

かいらくげんそく【快楽原則】

フロイトの用語。不快を避け快を得ようとする傾向。イドはこの原則に従うとされる。快 不快の原則。快感原則。 ⇔ 現実原則

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精選版 日本国語大辞典の解説

かいらく‐げんそく クヮイラク‥【快楽原則】

〘名〙 (Lustprinzip の訳語) フロイトの精神分析用語。不快を避けて、快楽を追求する無意識の傾向。心理機構全体を興奮状態から解放したり、興奮量を定常に保とうとする無意識の傾向。⇔現実原則

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世界大百科事典内の快楽原則の言及

【現実原則】より

…S.フロイトの用語。フロイトによれば,精神活動は,〈快楽原則〉と〈現実原則〉という二つの原則によって支配されている。前者は,本能欲求の高まりを現実の充足か幻覚的な充足によって低減させる活動であり,後者は,本能の満足を現実に適応するように馴致させていく過程である。…

【ニルバーナ原則】より

…仏教用語の涅槃(ねはん)(サンスクリットでニルバーナ)に由来するもので,〈涅槃原則〉ともいう。彼は《快楽原則の彼岸》(1920)において,ニルバーナ原則とは,刺激に基づく緊張をゼロにまで引き下げようとする心的装置の傾向(すなわち〈死の本能〉の表現)であり,快楽原則とは,その前段階の緊張をできるだけ低くかつ恒常的に維持しようとする傾向(すなわち〈生の本能〉の表現)であると説いた。しかしその後《マゾヒズムの経済的問題》(1924)においては若干の修正を行い,ニルバーナ原則は〈死の本能〉に帰属し,快楽原則は,ニルバーナ原則が〈生の本能〉の影響によってこうむったリビドーの要求とその修正であり,現実原則は外界の影響を代表すると再定義した。…

※「快楽原則」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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