急性鼻炎・慢性鼻炎(読み)きゅうせいびえんまんせいびえん

食の医学館 「急性鼻炎・慢性鼻炎」の解説

きゅうせいびえんまんせいびえん【急性鼻炎・慢性鼻炎】

《どんな病気か?》


〈急性鼻炎は鼻かぜ、慢性鼻炎は骨の形状不良で起こる〉
 急性鼻炎(びえん)とは、鼻腔(びくう)(鼻のあな)の粘膜(ねんまく)に生じた急性炎症です。くしゃみや水のような鼻みず、鼻づまりの症状が急に起こり、ひどくなると頭痛や頭重(ずじゅう)発熱をともない、においもわかりにくくなります。
 原因は多くの場合、ウイルス細菌の感染によって起こる、いわゆる鼻かぜです。
 そのほか、粉塵(ふんじん)や刺激性のガスを吸入したときにも起こることがあります。
 慢性鼻炎は、鼻腔の粘膜が腫(は)れて空気の通り道が狭くなり、鼻づまりや鼻みずが多くなった状態です。
 重症になると、いつも鼻がつまって、鼻で呼吸することができなくなり、のどがかわいて痛んだり、頭重、睡眠障害が起こったりすることもあります。
 おもな原因は、鼻腔の骨や軟骨の形に問題があって呼吸がうまくいかず、粘膜が腫れるためと考えられています。

《関連する食品》


〈レバー、シソ油などの食品で鼻の粘膜をまもる〉
○栄養成分としての働きから
 鼻炎には、粘膜の成分になるビタミンAや、粘膜の炎症を抑える働きのあるα(アルファ)リノレン酸がよいとされています。
 体内でビタミンAにかわるカロテンを含む食品は、コマツナニンジンシュンギクホウレンソウなどの緑黄色野菜です。
 また、はじめからビタミンAのかたちで動物性食品に含まれるレチノールは、鶏、牛、豚のレバーウナギといった魚、チーズ、たまご、牛乳などに豊富です。
 α―リノレン酸は、シソや海藻類などに含まれています。
 しかし、野菜に含まれるα―リノレン酸の量はごく微量なので、シソの種子からとれるシソ油や、シソ科の1年草であるエゴマからつくるエゴマ油などの食用油を調理に使うと効率よくとることができます。
○注意すべきこと
 ただし、α―リノレン酸を含む油は、とても酸化しやすい性質があります。したがって、揚げものや炒(いた)めもののように、加熱する料理に利用するよりも、和えものやサラダのドレッシングなど生食に利用するようにしましょう。

出典 小学館食の医学館について 情報