性差(読み)せいさ(英語表記)sex differences

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

性差
せいさ
sex differences

個体に雌雄の別のある動物において,雌性個体と雄性個体との間にみられる差異をいう。ある個体が雌性になるか雄性になるかは,卵子と精子とが合体して受精卵ができたときに決定される。人間では,性染色体が,X染色体2個で構成されるならば女,X染色体とY染色体各1個ずつで構成されるならば男となる。実際に性差が出現するのは成長の途中からで,まず胎生4ヵ月頃,生殖器官が明確な性的差異を伴って形成される。これを1次性徴という。次に思春期になると脳下垂体の性腺刺激ホルモンが,すでに形成されている精巣や卵巣に作用して,性ホルモンを分泌させる。精巣からは男性ホルモン,卵巣からは女性ホルモンが分泌され,これが全身に作用して,いたるところに性差を現出させる。これを2次性徴という。おもなものをあげれば,男では骨や筋肉の発達,ひげ,すね毛,胸毛など体毛の発生,声変りなど,女では乳房の肥大,骨盤の発達,皮下脂肪の増加などである。1次性徴の形成がなければ2次性徴も出現しえず,また性ホルモンの分泌がないときは,成人にみるような性差は決して現れない。動物では,性差のごく小さいものから,非常に大きいものまで,さまざまである。人間は全動物のなかでみると,性差の小さい動物に属する。

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世界大百科事典内の性差の言及

【ジェンダー】より

…生物学的性別や性差を意味するセックスsexに対して,社会的文化的に作られた性別や性差を意味する言葉。〈男らしさ〉〈女らしさ〉など,社会通念において一般的な固定的な性別観・性差観を意味することもある。…

【性】より

…また同性愛についても,刑事罰の対象としている国や州,宗教的に罪とみる文化が存在する一方,性行動の一形態としての存在を主張する対抗文化的な解放運動などがある。また前述の男性的同一性,女性的同一性についても,その固定化を男性優位の社会における性差別であるとして激しく抗議するウーマン・リブ運動(婦人運動)もある。要するに,ヒトにおいては,性が単に生殖という生物学的な目的に資するだけでなく,とりわけ人間関係における重要な機能として,生活の全体に多面的な影響を発揮している。…

※「性差」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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