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所務沙汰 しょむさた

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

所務沙汰
しょむさた

鎌倉幕府法の訴訟制度の一つであり,所領の田畠下地相論事を対象とする裁判手続である。幕府にとっては,御家人の所領の保護は,きわめて緊要な政務であった。ゆえに,所務沙汰は,その訴訟制度の中心をなした。

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世界大百科事典 第2版の解説

しょむざた【所務沙汰】

中世,とくに鎌倉幕府法で,土地所有権の帰属および土地から生ずる果実に関する権利についての訴訟,裁判。所務は収納の意で,《日葡辞書》では〈年貢の取立て〉とする。14世紀初頭の鎌倉幕府の訴訟制度解説書《沙汰未練書》は,所務沙汰とは〈所領の田畠下地(したじ)相論の事〉と定義している。
[管轄]
 鎌倉初期には問注所で受理し,実務処理を経て,鎌倉殿自身が裁決した。1232年(貞永1)の評定衆設置後は執権連署の出席する評定会議で判決した。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

所務沙汰
しょむざた

鎌倉幕府の法制上の用語で、所領(土地)の領有(所有)についての訴訟、裁判のこと。鎌倉幕府の裁判は、源頼朝(よりとも)のときは鎌倉殿(かまくらどの)たる頼朝の親裁であったが、執権政治の発展につれ、「御成敗式目(ごせいばいしきもく)」の制定を経て、評定(ひょうじょう)―引付(ひきつけ)という裁判機関が整備され、御家人(ごけにん)という身分を基準として管轄が定められていた。それが13世紀末ころから、所務沙汰、雑務(ざつむ)沙汰(田畑売買・動産および債権関係の訴訟)、検断沙汰(刑事訴訟)という、訴訟対象を基準として管轄を定める制度となり、所務沙汰は引付、雑務沙汰は問注所、検断沙汰は侍所(さむらいどころ)が管掌した。この制度の整備は弘安(こうあん)(1278~88)ころと考えられ、当事者の権利保護よりも訴訟案件の迅速な解決に重きを置く、幕府の姿勢の変化を反映したものである。所務沙汰の手続は時期により変遷があるが、典型的に発達した鎌倉末期の場合では次のようなものであった。訴人(原告)は訴状に具書(ぐしょ)(証拠書類)を添えて、問注所の賦奉行(くばりぶぎょう)に提出する。奉行は審査して手続の誤りがなければ引付に送る。引付から問状(もんじょう)を発して論人(ろんにん)(被告)に陳状(答弁書)を提出させる(これを三度繰り返すので三問三答という)。書面審理だけでは結審に至らなければ、訴人・論人を召喚して、引付の座で対決(口頭弁論)を行う。ついで引付で判決原案を作成し、評定会議の決定を経て、勝訴者を喚出して裁許状(判決書)を交付し、結審となる。裁判の進行は当事者遂行主義といって、訴・論人が自ら負担する役割が大きく、挙証責任は原則として訴人にあった。[羽下徳彦]

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