六訂版 家庭医学大全科 「扁桃周囲膿瘍」の解説
扁桃周囲膿瘍(扁桃周囲炎)
へんとうしゅういのうよう(へんとうしゅういえん)
Peritonsillar abscess (Peritonsillitis)
(のどの病気)
どんな病気か
急性扁桃炎に続発し、
原因は何か
原因菌としては、急性扁桃炎の原因菌に加えて
症状の現れ方
急性扁桃炎に引き続いて発症し、激烈な咽頭痛が特徴です。通常は片側だけです。感染範囲が広がると耳への放散痛、開口障害が出現します。
全身的には、高熱を伴い、経口摂取がほとんどできなくなり、全身
検査と診断
口内を調べると、口蓋扁桃のみならず、その周囲の粘膜が強く赤く
しかし、必ずしも膿瘍部が
その他の検査は急性扁桃炎と同様です。
治療の方法
扁桃周囲炎と、それが進展した扁桃周囲膿瘍の区別が大切です。扁桃周囲炎の場合は、抗生剤を主体とした保存療法が選択されます。
しかし、扁桃周囲膿瘍では、保存的治療よりも膿汁の排泄を目的にした治療が重要です。膿汁の排泄には、膿瘍の場所や程度を考慮して、注射針で穿刺吸引する場合と、局所麻酔後にメスで1~2㎝程度を切開する場合があります。切開後には、十分に排膿するためにガーゼドレーンを置くことがあります。
外科処置に加えて、点滴注射により抗生剤を投与し、脱水の改善を図ります。
緊急手術に対応できる施設では、積極的に扁桃摘出術(コラム)を行い、治療期間の短縮、再発予防を図ることがあります。
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報