手を掛ける(読み)テヲカケル

デジタル大辞泉 「手を掛ける」の意味・読み・例文・類語

・ける

人手を費やす。手数をかける。手間をかける。「―・けた料理」
自分の手で行う。手掛ける。
「民子は私が―・けて殺したも同じ」〈左千夫野菊の墓
手出しをする。盗みをする。「人の物に―・ける」
[類語](1世話を焼く目を掛ける手掛ける面倒を見る付き添う/(3盗む取る盗み取るかすめる掠め取るかっぱらう盗み窃盗盗用

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「手を掛ける」の意味・読み・例文・類語

て【手】 を 掛(か)ける

  1. みずから事に当たる。
    1. [初出の実例]「民子は私が手を掛けて殺したも同じ」(出典:野菊の墓(1906)〈伊藤左千夫〉)
  2. 手出しをする。攻める。攻撃を加える。また、盗みをはたらく。盗む。
    1. [初出の実例]「身に敵有ければ、不緩(たゆま)ずして、我も調度負ひ、郎等共にも調度負せなどして、人に手可被懸くも无くて」(出典今昔物語集(1120頃か)二九)
    2. 「人の物に手をかけた根性の曲ったものを、手ひどくどづいて」(出典:大阪の宿(1925‐26)〈水上滝太郎〉一三)
  3. 関係をつける。手出しをする。特に、立場が下の女などと関係を結ぶ。
    1. [初出の実例]「これは仏光寺の中居の女にてをかけたるといふしつとゆへのことなり」(出典:本福寺跡書(1560頃)本福寺善道俗姓之事)
  4. 手数をかける。人手をわずらわす。手を加える。
    1. [初出の実例]「床も違い棚もそれぞれ手を掛けた普請であるが」(出典:魔風恋風(1903)〈小杉天外〉前)

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