デジタル大辞泉 「取る」の意味・読み・例文・類語
と・る【取る/執る/採る/捕る/撮る】
1 手の中におさめる。手に持つ。
㋐手でつかむ。握って持つ。「その本を―・って見てください」「胸ぐらを―・る」
㋑手に持って動かす。手を働かして何かをする。操作する。「
㋒(手を持って)教えたり、導いたりする。「手―・り、足―・りして教える」
㋓(捕る)動物などをつかまえる。「セミを―・る」「
㋔(「(作物を)穫る」「(動物を)獲る」とも書く)生きていくための、えものや作物を手に入れる。収穫したり、捕獲したりする。「山菜を―・って暮らしを立てる」
2
㋐(執る)(手で)うまく動かして、事を行う。処理する。「事務を―・る」「指揮を―・る」
㋑そのような考え方を固く守る。主張する。「中立の立場を―・る」「強硬な態度を―・る」
3 いろいろな方法で自分のものにする。
㋐相手からもらってこちらのものにする。手に入れる。「金メダルを―・る」「休みを―・る」「免許を―・る」「税金を―・られる」
㋑(その家の者として)人を迎え入れる。「内弟子を―・る」「婿を―・る」
㋒注文して届けさせる。いつもそこで買う。「お昼にすしを―・る」「酒はあの店から―・る」「新聞を―・る」
㋓(「盗る」とも書く)人のものを無理に自分のものとする。盗む。奪う。「力ずくで財布を―・る」「現金だけ―・られた」
㋔召し上げる。没収する。「官職を―・る」
㋕自分のものにすることを前もって約束する。予約する。「芝居の席を―・る」
㋖身にひきうける。「責任を―・る」「正直だという評判を―・る」「父の跡を―・る」
㋗客として相手をする。「芸者が客を―・る」
㋘(年などを)かさねる。「年を―・る」
4
㋐身につけているものをはずしたり、ぬいだりする。(一時的に)からだから離す。「帽子を―・る」「ネクタイを―・る」
㋑(そこにある不用のもの、余分なものを)他へ移す。除き去る。そこからいなくする。「しみを―・る」「痛みを―・る薬」「かたきを―・る」
5
㋐同類のものを広く、多く集める。採取する。「木の実を―・って食糧にする」
㋑(採る)多くの中から選んで、決める。採用したり、選択したりする。「気に入った品を―・る」「新卒者を―・る」
㋒(採る)選んで、どちらかのほうに決める。「可否を―・る」「南に針路を―・る」
㋓(採る)みちびき入れる。「明かりを―・る窓」
㋔(「摂る」とも書く)必要なものとして体内にとり入れる。「栄養を―・る」
㋕材料・原料からとり出したり、作り出したりする。製する。「豆から油を―・る」
6 形をまねて作る。(記して)形を残す。「入れ歯の型を―・る」「不動の姿勢を―・る」「メモを―・る」
7 数量をはかる。数える。調べる。「統計を―・る」「寸法を―・る」「タイムを―・る」「脈を―・る」
8
㋐(人の心をおしはかったり、要点を押さえたりして)うまくことをすすめる。「ごきげんを―・る」「バランスを―・る」
㋑調子を合わせる。「拍子を―・る」「歩調を―・れ」
9 そのことのために場所や時間などを必要とする。「手間を―・る仕事」「大きすぎて場所を―・る」
10 そのように解釈したり、判断したりする。解する。「文字どおりに―・る」「悪く―・る」
11 相撲やカルタなどの遊びをする。「一番―・ろうか」「花札を―・る」
12
㋐(撮る)写真を写す。「記念写真を―・る」
㋑写しを作る。「コピーを―・る」
㋒(「録る」とも書く)録画する。録音する。「フルハイビジョンカメラで―・る」
13 (「…にとって」の形で)…としては。…の立場からは。「彼の死は経済界に―・って大きな痛手だ」
[可能]とれる
[動ラ下二]「とれる」の文語形。
[下接句]揚げ足を取る・当たりを取る・
[類語](1)持つ・握る・携える・捧げる・捧げ持つ・手にする・しょっぴく・捕まえる・捕らえる・引っ捕らえる・取り押さえる・生け捕る・召し捕る・