取る(読み)トル

デジタル大辞泉 「取る」の意味・読み・例文・類語

と・る【取る/執る/採る/捕る/撮る】

[動ラ五(四)]
手の中におさめる。手に持つ。
㋐手でつかむ。握って持つ。「その本を―・って見てください」「胸ぐらを―・る」
㋑手に持って動かす。手を働かして何かをする。操作する。「かじを―・る」
㋒(手を持って)教えたり、導いたりする。「手―・り、足―・りして教える」
㋓(捕る)動物などをつかまえる。「セミを―・る」「もりで魚を―・る」
㋔(「(作物を)穫る」「(動物を)獲る」とも書く)生きていくための、えものや作物を手に入れる。収穫したり、捕獲したりする。「山菜を―・って暮らしを立てる」

㋐(執る)(手で)うまく動かして、事を行う。処理する。「事務を―・る」「指揮を―・る」
㋑そのような考え方を固く守る。主張する。「中立の立場を―・る」「強硬な態度を―・る」
いろいろな方法で自分のものにする。
㋐相手からもらってこちらのものにする。手に入れる。「金メダルを―・る」「休みを―・る」「免許を―・る」「税金を―・られる」
㋑(その家の者として)人を迎え入れる。「内弟子を―・る」「婿を―・る」
㋒注文して届けさせる。いつもそこで買う。「お昼にすしを―・る」「酒はあの店から―・る」「新聞を―・る」
㋓(「盗る」とも書く)人のものを無理に自分のものとする。盗む。奪う。「力ずくで財布を―・る」「現金だけ―・られた」
㋔召し上げる。没収する。「官職を―・る」
㋕自分のものにすることを前もって約束する。予約する。「芝居の席を―・る」
㋖身にひきうける。「責任を―・る」「正直だという評判を―・る」「父の跡を―・る」
㋗客として相手をする。「芸者が客を―・る」
㋘(年などを)かさねる。「年を―・る」

㋐身につけているものをはずしたり、ぬいだりする。(一時的に)からだから離す。「帽子を―・る」「ネクタイを―・る」
㋑(そこにある不用のもの、余分なものを)他へ移す。除き去る。そこからいなくする。「しみを―・る」「痛みを―・る薬」「かたきを―・る」

㋐同類のものを広く、多く集める。採取する。「木の実を―・って食糧にする」
㋑(採る)多くの中から選んで、決める。採用したり、選択したりする。「気に入った品を―・る」「新卒者を―・る」
㋒(採る)選んで、どちらかのほうに決める。「可否を―・る」「南に針路を―・る」
㋓(採る)みちびき入れる。「明かりを―・る窓」
㋔(「摂る」とも書く)必要なものとして体内にとり入れる。「栄養を―・る」
㋕材料・原料からとり出したり、作り出したりする。製する。「豆から油を―・る」
形をまねて作る。(記して)形を残す。「入れ歯の型を―・る」「不動の姿勢を―・る」「メモを―・る」
数量をはかる。数える。調べる。「統計を―・る」「寸法を―・る」「タイムを―・る」「脈を―・る」

㋐(人の心をおしはかったり、要点を押さえたりして)うまくことをすすめる。「ごきげんを―・る」「バランスを―・る」
㋑調子を合わせる。「拍子を―・る」「歩調を―・れ」
そのことのために場所や時間などを必要とする。「手間を―・る仕事」「大きすぎて場所を―・る」
10 そのように解釈したり、判断したりする。解する。「文字どおりに―・る」「悪く―・る」
11 相撲やカルタなどの遊びをする。「一番―・ろうか」「花札を―・る」
12
㋐(撮る)写真を写す。「記念写真を―・る」
㋑写しを作る。「コピーを―・る」
㋒(「録る」とも書く)録画する。録音する。「フルハイビジョンカメラで―・る」
13 (「…にとって」の形で)…としては。…の立場からは。「彼の死は経済界に―・って大きな痛手だ」
[可能]とれる
[動ラ下二]とれる」の文語形
[下接句]揚げ足を取る当たりを取る虻蜂あぶはち取らずいとま・ひまを取る裏を取る猿猴えんこう月を取る後れを取る鬼の首を取ったよう音頭を取るかじを取る気を取られる機嫌気褄きづまを取る機嫌を取る牛耳を執る教鞭きょうべんを執る消し口を取るけんこうむえいを執る木盾こだてに取る小褄こづまを取るさいを採るさやを取るしちに取る死に水を取る尺を取る酌を取る章を断ち義を取る陣を取るせんを取る損して得取る大事を取る盾に取る短をて長を取るつまを取る手に手を取る手に取るよう手を取る手玉に取る天下を取る得を取るより名を取れ年を取るとっこに取るとんび油揚あぶらげを取られたよう・名を捨てて実を取る名を取る中を取る鳴く猫はねずみを捕らぬ盗人ぬすびと上前うわまえを取るはしを取る引けを取るひさしを貸して母屋を取られる左褄ひだりづまを取る人のふんどしで相撲を取る暇を取る不覚を取る筆を執る面を取る股立ももだちを取る涼を取る労を取る
[類語](1持つ握る携える捧げる捧げ持つ手にするしょっぴく捕まえる捕らえる引っ捕らえる取り押さえる生け捕る召し捕るからめ取る引っくくとらまえる捕獲する拿捕だほする捕縛する逮捕する検束する検挙する挙げるぱくる引っ立てる/(3得る収める奪う取り上げる分捕ぶんどかすめ取るもぎ取る引ったくるぶったくるふんだくるさらっ攫う横取りする強奪する奪取する略取する略奪する収奪する簒奪さんだつする剝奪はくだつする吸い取る盗む盗み取るかすめるかっぱらう手を掛ける盗み窃盗盗用/(4㋐)脱ぐ/(5採択採用雇用雇う雇い入れる抱える召し抱える召し使う取り上げる/(10解釈理解判断解する受け取るとらえる知る把握分かる分かりのみ込み承知認識/(12㋐)撮影写す写る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「取る」の意味・読み・例文・類語

と・る【取・執・採・捕・撮】

  1. [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
    1. [ 一 ] 手に握って持つ。身から離れないようにしっかり持つ。
      1. 手に持つ。つかむ。
        1. [初出の実例]「向つ峰(を)に 立てる夫(せ)らが 柔手(にこで)こそ 我が手を騰羅(トラ)め」(出典:日本書紀(720)皇極三年六月・歌謡)
        2. 「筆をとれば物書かれ」(出典:徒然草(1331頃)一五七)
      2. 手に持ってそれを使う。
        1. [初出の実例]「白波の寄する磯廻(いそみ)を漕ぐ船の楫(かぢ)登流(トル)間なく思ほえし君」(出典:万葉集(8C後)一七・三九六一)
      3. 手に持ったりつまんだりして、さしたり引いたり上げたりする。
        1. (イ) 苗を植える。
          1. [初出の実例]「昨日こそさなへとりしかいつのまにいなばそよぎて秋風の吹く〈よみ人しらず〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋上・一七二)
        2. (ロ) (案内したり、教えたりするために)手を引く。また、指導する。
          1. [初出の実例]「『あやし、ここにぞある』とて、手をとりてみちびく」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
        3. (ハ) ( 「馬の口を取る」の形で ) 手綱を引く。
          1. [初出の実例]「道にて馬の口をとりて」(出典:伊勢物語(10C前)六三)
        4. (ニ) つまんで引き上げる。
          1. [初出の実例]「やごとなき女房達、袴のそばをとり」(出典:平家物語(13C前)八)
      4. 逃げないようにしっかり押える。つかまえる。捕獲する。
        1. [初出の実例]「雲雀は 天に翔(かけ)高行くや 速総別(はやぶさわけ) 鷦鷯(さざき)登良(トラ)さね」(出典:古事記(712)下・歌謡)
      5. 仕事、事業などを遂行する。手を使ったりして仕事を進める。
        1. [初出の実例]「是朕か実に万機を攬るに不堪」(出典:救荒の勅語‐明治元年(1868)六月二二日)
        2. 「身体が衰弱して、職務を執るに堪へないから退職する」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉二)
      6. 持っている考えや意志を堅く守る。
        1. [初出の実例]「斯志ばかりは堅く執って変るな」(出典:破戒(1906)〈島崎藤村〉七)
    2. [ 二 ] 自分の物になるように、また、自分の物として持てるようにする。
      1. 農作物・草木・魚介類などを収穫、採集する。また、あるものから抜き出したり、しぼり出したりする。
        1. [初出の実例]「香ぐはし 花橘 下枝(しづえ)らは 人皆等利(トリ)」(出典:日本書紀(720)応神一三年三月・歌謡)
      2. 自分の思い通りに支配、領有する。
        1. [初出の実例]「各の強兵を握(トリ)、恩沢を固むず」(出典:白氏文集天永四年点(1113)三)
        2. 「天下とる相おはします」(出典:大鏡(12C前)五)
      3. 買ったりもらったりして受け収める。また、報酬として得る。
        1. [初出の実例]「給はせたる物各分けつつとる」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
        2. 「買ふ人、明日そのあたひをやりて牛をとらんと言ふ」(出典:徒然草(1331頃)九三)
      4. 願い出て、もらう。
        1. [初出の実例]「何なりともそなたのほしひ物をとっておかいれ」(出典:虎明本狂言・箕被(室町末‐近世初))
      5. (嫁・むこ・養子などを)迎え入れる。
        1. [初出の実例]「いかで、いやしからざらん人の女子一人とりて、うしろみもせん」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
      6. 師として学ぶ。また、主人として仕える。弟子にして教えることもいう。
        1. [初出の実例]「舞の師どもなど、世になべてならぬをとりつつ、おのおのこもりゐてなむ習ひける」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
      7. 芸者・娼妓などが、客を迎え入れて相手をする。
        1. [初出の実例]「越谷のお茶屋へ遣ればお客を取るのが忌(いや)だと云って」(出典:破垣(1901)〈内田魯庵〉一)
      8. 和歌などの一部を引き受けてよむ。また、他の和歌の趣向などを意識的にとり入れてよむ。
        1. [初出の実例]「はかなきことをも本末をとりていひかはし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)早蕨)
      9. 食べ物、読み物などを注文してとり寄せる。また、定期的に持って来させて買う。
        1. [初出の実例]「新聞の数多く購(ト)るも彦右衛門の家、雑誌の数多く取るも彦右衛門の家」(出典:いさなとり(1891)〈幸田露伴〉二)
      10. ある成績や資格などを得る。
        1. [初出の実例]「成程二十六で学位を得(ト)った才子らしい相である」(出典:はやり唄(1902)〈小杉天外〉一三)
      11. 場所を確保したり、時や手間を費やしたりする。
        1. [初出の実例]「日本人は〈略〉飲食をする方を好くから、食堂を広く取(ト)るやうになるのでせう」(出典:青年(1910‐11)〈森鴎外〉九)
      12. 年齢を積み重ねる。年とる。
        1. [初出の実例]「世にあはぬ局涙に年とりて〈雨桐〉 記念にもらふ嵯峨の苣畑(ちさばた)〈重五〉」(出典:俳諧・春の日(1686))
      13. (光、水、熱などを)導き入れる。
        1. [初出の実例]「障子を明け涼を取りつつ源氏物語を講ぜしに」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉四)
      14. からだに栄養物などを入れる。また、休息する。ねむる。
        1. [初出の実例]「暖かいコーヒー、暖かい肉を摂るべき時候であった」(出典:海に生くる人々(1926)〈葉山嘉樹〉三〇)
      15. ( 引き取るの意 ) 浄瑠璃の節章を表わす語。
        1. (イ) 七五調で進めてきた文章をわざと字余りにする。本来ならば三味線がひくところを太夫が引きうけて語ることを示す。
        2. (ロ) 人物の出入りや場面の転換をするときに用いる節になることを示す。
          1. [初出の実例]「弓と弦とに引き別れ入るや トル 長閑き」(出典:浄瑠璃・源頼家源実朝鎌倉三代記(1781)一)
    3. [ 三 ] それまであった所から引き離す。
      1. ついているものを除き去る。
        1. [初出の実例]「脚を拭ふ巾、熱を摂(トル)巾」(出典:岩淵本願経四分律平安初期点(810頃))
      2. 身につけているものをはずす。ぬぐ。
        1. [初出の実例]「先、衣とらしゃれ」(出典:浮世草子・好色貝合(1687)下)
      3. 生命を奪う。うちとる。また、首を斬り放す。
        1. [初出の実例]「千万(ちよろづ)の軍なりとも言挙げせず取(とり)て来ぬべき男とそ思ふ」(出典:万葉集(8C後)六・九七二)
        2. 「三刀さいて頸をとる」(出典:平家物語(13C前)八)
      4. むりやりに、または、ひそかに他人の物を自分の手に収める。うばう。ぬすむ。
        1. [初出の実例]「家も焼けほろび物の具もみなとられはてて」(出典:大和物語(947‐957頃)一二六)
      5. 官位、財産などを召しあげる。とりあげる。
        1. [初出の実例]「宮仕へをも仕うまつらずといふこと出で来て、つかさとらせ給へば」(出典:平中物語(965頃)一)
      6. 代金、税金、月謝などを徴収する。「税金をとる」
        1. [初出の実例]「なかなか上等らしいので、あんなのはこのごろではずゐぶんとるんだらうねと」(出典:苦の世界(1918‐21)〈宇野浩二〉二)
      7. 将棋で、味方の駒の利きにあたる相手の駒を奪って持駒とする。
    4. [ 四 ] 身に負う。
      1. 評判、恥辱、失敗などを身に受ける。
        1. [初出の実例]「みちのくにありといふなるなとり川なき名とりては苦しかりけり〈壬生忠岑〉」(出典:古今和歌集(905‐914)恋三・六二八)
        2. 「詞のつつしまざるは、やぶれをとる道なり」(出典:平家物語(13C前)五)
      2. ひきうけて行なう。負担する。
        1. [初出の実例]「大臣にならむ贖労(ぞくらう)をとらむなどぞ、あまりおどろおどろしき事と」(出典:源氏物語(1001‐14頃)東屋)
      3. 名跡(みょうせき)や財産をひきつぐ。
        1. [初出の実例]「知りて入らぬ物。跡とって死する人」(出典:仮名草子・犬枕(1606頃))
    5. [ 五 ] えらんできめる。また、場所を定め設ける。
      1. ( 採 ) よい、すぐれていると認める。また、そう認めて採用する。
        1. [初出の実例]「をさなき人、しりへのかたとられて出でにたり」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
        2. 「とる方なくくちをしききはと」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
      2. 多くのものの中からえらび出す。
        1. [初出の実例]「この二十八日になん、舟に乗るべき日とりたりければ」(出典:落窪物語(10C後)四)
      3. 落ちつくべき宿、席、陣を定める。また、進む道や方向を定める。
        1. [初出の実例]「ゆふぐれのまがきは山と見えななむ夜はこえじとやどりとるべく〈遍昭〉」(出典:古今和歌集(905‐914)離別・三九二)
        2. 「源平両方に陣をとる」(出典:平家物語(13C前)六)
      4. ( 「床を取る」の形で ) 寝所を設ける。ふとんを敷く。
        1. [初出の実例]「更過て床とるにも三ツ蒲団替夜着」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)七)
    6. [ 六 ] ある形をつくり出す。
      1. もとの形をまねて作る。また、物の輪郭を表わす。
        1. [初出の実例]「ヘリヲ toru(トル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
        2. 「雪景色は一段と、絵にお取(ト)り遊ばすには〈略〉嘸お悦びでござんせうわいな」(出典:歌舞伎・星月夜見聞実記(荏柄の平太)(1880)序幕)
      2. ( 撮 ) 写真をうつす。撮影する。
        1. [初出の実例]「写真屋をつれて来て、その文を写真にとる」(出典:開化自慢(1874)〈山口又市郎〉初)
      3. 忘れないように書きとめる。
        1. [初出の実例]「本を読んだり、ノートを取ったりするのであった」(出典:青べか物語(1960)〈山本周五郎〉蜜柑の木)
      4. 複写などをつくる。「コピーをとる」「ビデオをとる」
    7. [ 七 ] 数量や物事の内容などを考える。
      1. 相手の気持を酌む。相手の気持をはかってうまくあつかう。
        1. [初出の実例]「この女、けしきをとりて」(出典:伊勢物語(10C前)四三)
        2. 「ヒトノ キゲンヲ toru(トル)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
      2. はかり数える。また、数えるときのしるしにする。
        1. [初出の実例]「山とつもれる しきたへの 枕の塵も ひとりねの かずにしとらば 尽きぬべし」(出典:蜻蛉日記(974頃)上)
      3. 言葉の内容、物事の状態、事情などを、あれこれと推測して、こうだと考える。解釈する。受けとる。
        1. [初出の実例]「もしやお銀が悪く取(ト)って〈略〉談(はなし)が破れるやうなことでもあっては大変と」(出典:二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉上)
    8. [ 八 ] ある状態にはまるように行動する。
      1. 調子などを、うまく合うようにする。
        1. [初出の実例]「弁の少将ひゃうしとりて梅が枝いだしたるほど、いとをかし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)梅枝)
      2. すもうを行なう。
        1. [初出の実例]「敏延と満仲と相撲を取(トリ)けるに」(出典:源平盛衰記(14C前)一六)
      3. カルタやトランプの遊びをする。
        1. [初出の実例]「歌骨牌を取りて遊ぶことあるべし」(出典:小学読本(1884)〈若林虎三郎〉二)
      4. ある行動の仕方をする。
        1. [初出の実例]「僕には此時始めて攻勢を取らうといふ考が出た」(出典:懇親会(1909)〈森鴎外〉)
        2. 「校長や先生がたのとる態度がいかにも卑屈である」(出典:彼の歩んだ道(1965)〈末川博〉三)
      5. (だま)す。あざむく。
        1. [初出の実例]「イヤイヤうそ。おれを取るのじゃ」(出典:浄瑠璃・夏祭浪花鑑(1745)四)
      6. 情交する。
        1. [初出の実例]「男千人の肌にふれては菩薩の行とおもひ立、毎夜橋詰に出て人にとらすると風聞す」(出典:浮世草子・好色産毛(1695頃)四)
    9. [ 九 ] ある事に関連させる。
      1. ある事に引き寄せて考える。
        1. [初出の実例]「身にとりては事にもあるまじく思ふ給へたち侍る折々あるを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)若菜上)
      2. ある事にたとえて示す。なぞらえる。また、引き合いに出す。
        1. [初出の実例]「太政官の庁は、凡人の家にとらば公文所ていのところ也」(出典:平家物語(13C前)四)
        2. 「マコトニ タトエヲ toruni(トルニ) タメシモナイ ホドニ アッタト マウス」(出典:天草本伊曾保(1593)イソポの生涯の事)
    10. [ 十 ] ( 寄席で最後に出演する者を「とり」というところからそれを動詞化させたものか ) 終わるの意にいう寄席芸人仲間の語。「今日の稽古はこれでとります」
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙とれる(取)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android