平安宮内裏の内郭の南の正門。《三代実録》《貞観儀式》などでは閤門(こうもん)としている。5間3戸の門とされ,平安宮のなかでももっとも重要な門の一つで近衛府が守ることになっていた。門籍がおかれ,門籍に登録されたものだけが門内に入ることを得た。また門には石階があり,門の内側には溝が東西に流れており,橋がかかっていたらしい。平城宮の場合,承明門にあたる門があったかどうかは,はっきりしない。平城宮の場合は平安宮とちがって,内裏と大極殿とがはなれてはおらず,直接連続しているので,内裏と大極殿とのあいだには門が一つしかなく,平安宮のように承明・建礼2門があるという点とは異なっている。平安宮の承明門は基壇建物であったらしく,貴族,親王が内裏へはいる際は主としてこの門が使用されたらしい。
執筆者:鬼頭 清明
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