拳固(読み)ゲンコ

デジタル大辞泉 「拳固」の意味・読み・例文・類語

げん‐こ【拳固】

にぎりこぶし。げんこつ。
近世馬子雲助などが用いた俗語》5・50・500などの金額を表す。片手
[類語]握りこぶし拳骨鉄拳

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精選版 日本国語大辞典 「拳固」の意味・読み・例文・類語

げん‐こ【拳固】

  1. 〘 名詞 〙
  2. にぎりこぶし。げんこつ。また、じゃんけんの石。ぐう。
    1. [初出の実例]「きりばんどうにかくれない此城へ、ろんじに足をふんごんだらば、いき杖のつづかん程げんこみぢんにさいなんで」(出典:浄瑠璃・百合若大臣野守鏡(1711頃)二)
    2. 「握拳(ゲンコ)をふりあげて西瓜真中を一つくらはせる」(出典当世書生気質(1885‐86)〈坪内逍遙〉九)
  3. ( にぎりこぶしの意から ) 五文、五〇文、五〇〇文などの五をいう語。多く、雲助、馬子、駕籠舁(かごかき)などの間で用いられた。片手。
    1. [初出の実例]「五の数をげんこといふ 五の数をげんこといへるは、五は阮古切なればなり」(出典:随筆・夏山雑談(1741)三)

こぶし‐がため【拳固】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 犬追物(いぬおうもの)のとき、射手馬上で酒を飲むこと。
    1. [初出の実例]「貴殿浦上所へはじめて御出朝犬あり。〈略〉昼以後、こぶしがため御酒まいる」(出典:親元日記‐文明一三年(1481)七月二日)
  3. 戦い本番にそなえて、訓練や稽古をすること。
    1. [初出の実例]「当五月下旬、富士の裾野に於て狩倉ゆゑ、拳(コブシ)かためのこの催ふし」(出典:歌舞伎松梅鶯曾我(1822)三立)

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普及版 字通 「拳固」の読み・字形・画数・意味

【拳固】げんこ

拳骨。

字通「拳」の項目を見る

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