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雲助 くもすけ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

雲助
くもすけ

江戸時代中期以降,交通労働にたずさわった住所不定の人足をさす。名称の由来は,雲のごとく行くえ定めぬという意からとも,網を張って客を待つのがクモに似ているからともいわれる。江戸時代中期,街道沿いの村が助郷役を銭で代納するようになると,宿場では浮浪人を伝馬人足や宿場人足などに使用しはじめた。彼らは,のちには旅人から酒手をねだったり,また取締りの目をくぐって悪事を働く者も多く,道中の「護摩の灰」と併称されるようになった。

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デジタル大辞泉の解説

くも‐すけ【雲助/蜘蛛助】

浮雲行方定めぬところからとも、また、客を取ろうとクモのように巣を張っているところからとも》
江戸時代、街道の宿駅渡し場などで、荷物の運搬駕籠(かご)かきなどを仕事としていた無宿の者。
人の弱みにつけ込んだり、法外な金銭を取ったりする者を、ののしっていう語。

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百科事典マイペディアの解説

雲助【くもすけ】

江戸時代,街道筋の駕籠舁(かごかき)や荷運びなど交通関係の労働に従事した無宿人民。助郷労働軽減のため,農民が金納をするようになると,宿の問屋はその金で安い人夫(雲)を雇用するようになった。
→関連項目駕籠

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世界大百科事典 第2版の解説

くもすけ【雲助】

江戸時代,街道筋にいて交通労働などに従事した住所不定の人足。助郷(すけごう)制の矛盾が最大の要因となって発生したもので,行方さだめぬ浮雲のような存在であったため雲助の呼称が生じたと思われるが,その離合集散がクモの子を散らすごとくであるための称とする説もある。一般の旅行者にとってきわめて有害危険な存在であったため,幕府の道中奉行はしばしば各宿駅の問屋や年寄に対してその取締りを命じている。国学者堀秀成はその著《磯山千鳥》の中で,雲助はほとんど肩にこぶがあり,股にはよこねのあとがあり,宿の問屋場の裏の小屋に多く集まっている,ばくちに勝てば小屋にいて茶わん酒を飲み,負ければ仕事に出るなどといい,また,大名どうしの交わりと雲助のそれがよく似ている,なぜかといえば雲助たちはおたがいを呼ぶのに薩州,加州,因州などと国名をもってすることが多いからだとも書いている。

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大辞林 第三版の解説

くもすけ【雲助】

〔定まった住所がなく雲のようにあちこちをさまよっているからとも、また、網を張って客を待つのが蜘蛛くものようであるからともいう〕
江戸時代、宿場や街道で駕籠舁かごかきや荷物運搬などに従った人夫。人の弱みにつけこむ、たちの悪い者が多かったところから、無頼の者たちのことをもいう。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

雲助
くもすけ

江戸時代に、宿駅、渡し場、街道筋を舞台に、荷物の運搬や、川渡し、賀籠(かご)かきなどを生業とした、住所不定の道中人足をいう。
 雲介、蜘蛛助とも書き、浮き雲のように住所が定まらないからなど、語源にはいくつかの説がある。近世に農民が助郷(すけごう)の夫役(ぶやく)を代銭納するようになると、農民の労働力に依存できなくなった宿場では、専従の人足を必要とした。1686年(貞享3)幕府は廻状(かいじょう)で、出所の知れた浮浪人の日雇人足への採用を許可している。この宿場人足は、幕府の御定賃銭を問屋場(といやば)から支払われ、問屋場裏の人足部屋に起居し部屋頭(がしら)の支配を受け、部屋人足ともよばれた。道中筋でたかりや人殺しなどを行い、「ごまのはい」と同じく無宿の悪漢とされた雲助は、この宿場人足とはいちおう別の、個人の営業によるものである。荷物や駕籠を担いで道中を行くとき雲助が歌った唄(うた)を雲助唄という。[片岸博子]

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世界大百科事典内の雲助の言及

【籠】より

…竹,蔓,木の小枝,針金などを編んでつくった入れ物。語源は定かではないが,上代に〈こ〉と呼ばれていたことを考えれば,〈か〉の由来する言葉との合成語であることがわかる。すなわち〈か〉は竹の意とも堅の意ともいわれ,〈こ〉に形容的に冠している。あるいはまた,構籠(かきご)や囲むの略義であろうとする説もある。籠の文献上の用例としては,まず鎌倉時代に書かれた《名語記》の〈こころ流浪の行人のせなかに負たる籠をかこおひとなつけたり〉をあげることができる。…

※「雲助」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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