( 1 )挙例の「空華集‐一・和西瓜詩」から、少なくとも南北朝頃には日本に伝わっていたと思われる。ただし、一般に普及したのは、一六世紀末以降。「俳・類船集‐左」に「水瓜(スイクワ)はさたうなくては味もなし」とあり、近世前期まではあまり甘くなかったようである。
( 2 )「俳・毛吹草‐四」には、肥前・薩摩の名産として挙げられ、また、「随・むかしむかし物語」に「昔は歴々衆喰事なく〈略〉寛文の頃より小身衆是を調て喰ふ。夫より段々喰人多くなり、近年は振廻の菓子にも出し、大身大名も喰ふ結構成くゎしに成、西瓜大立身なり」とあり、普及のさまがうかがわれる。
出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報