西瓜(読み)スイカ

デジタル大辞泉 「西瓜」の意味・読み・例文・類語

すい‐か〔‐クワ〕【西×瓜/水×瓜】

《「すい(西)」は唐音ウリ科蔓性つるせい一年草。地をはい、夏、淡黄色の雄花雌花とを開く。実は球形楕円形で大きい。果肉は水を多く含んで甘く、赤・黄などの色のものがある。アフリカ原産で、品種が多い。日本へは江戸時代の初めごろ中国から渡来したといわれる。 実=秋 花=夏》「畠から―くれたる庵主かな/太祇
[類語]真桑瓜メロン烏瓜夕顔瓢箪糸瓜へちまふくべひさご胡瓜白瓜カボチャ唐茄子冬瓜とうがん苦瓜

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精選版 日本国語大辞典 「西瓜」の意味・読み・例文・類語

すい‐か‥クヮ【西瓜・水瓜】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「西瓜」の唐宋音という ) ウリ科のつる性一年草。熱帯アフリカ原産で、日本へは南北朝時代に渡来したと考えられ、畑地に広く栽培されている。茎は地をはい巻ひげで他物にからみ長さ五メートルぐらいになる。全体に白い毛が多い。葉は互生し、長柄をもち卵形または卵状楕円形で羽状に深裂し長さ一〇~二〇センチメートル。雌雄同株。雌花には下位子房がある。夏、葉腋(ようえき)に径約三センチメートルの黄色の広鐘形で先が五裂した花をつける。多数の栽培品種があり、果実は球形または楕円形で大きく、果肉は淡紅・紅・クリーム色などで水分が多く甘い。種子は扁平な卵形で黒褐色。果実は生食され種子は炒(い)って食用になる。果汁には利尿の効能がある。漢名、西瓜。ウォーターメロン。《 季語・秋 》

▼すいかの花《 季語・夏 》

  1. [初出の実例]「西瓜今見生東海、剖破猶含玉露濃」(出典:空華集(1359‐68頃)一・和西瓜詩)
  2. 「西瓜(スイクヮ)のたち売は、行燈の朱(あけ)を奪ふ事を憎(にくむ)」(出典:談義本・根無草(1763‐69)前)
  3. 「西瓜〈略〉水中に冷し食ふ故に水瓜といふ」(出典:随筆・傍廂(1853)後)
  4. [その他の文献]〔余叢考‐巻三三〕

西瓜の語誌

( 1 )挙例の「空華集‐一・和西瓜詩」から、少なくとも南北朝頃には日本に伝わっていたと思われる。ただし、一般に普及したのは、一六世紀末以降。「俳・類船集‐左」に「水瓜(スイクワ)はさたうなくては味もなし」とあり、近世前期まではあまり甘くなかったようである。
( 2 )「俳・毛吹草‐四」には、肥前薩摩名産として挙げられ、また、「随・むかしむかし物語」に「昔は歴々衆喰事なく〈略〉寛文の頃より小身衆是を調て喰ふ。夫より段々喰人多くなり、近年は振廻の菓子にも出し、大身大名も喰ふ結構成くゎしに成、西瓜大立身なり」とあり、普及のさまがうかがわれる。

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動植物名よみかた辞典 普及版 「西瓜」の解説

西瓜 (スイカ・カツウリ;サイウリ)

学名Citrullus lanatus
植物。ウリ科の一年生つる植物,園芸植物,薬用植物

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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