デジタル大辞泉
「捻る」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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ひね・る【捻・拈・撚】
- [ 1 ] 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
- ① 指先にはさんでものをねじる。つまんで回す。また、つねったり強くもんだりする。〔新撰字鏡(898‐901頃)〕
- [初出の実例]「這ひ寄りて錠ひねり見給ふに、更に動かねば」(出典:落窪物語(10C後)二)
- 「チトお肩でも捻(ヒネ)りませう」(出典:人情本・清談若緑(19C中)三)
- ② ねじって向きを変える。ねじってまわす。
- [初出の実例]「横ざまにたてる三尺の几帳の前にゐたれば、とざまにひねりのきて」(出典:能因本枕(10C終)三一九)
- 「少し肩と顔とをそっちにひねって」(出典:或る女(1919)〈有島武郎〉前)
- ③ さまざまに考えて作り出す。考案する。考え工夫する。ひねりだす。
- [初出の実例]「麦をかるたのかたにはり、ひねってもひねっても二寸より上目なく」(出典:浄瑠璃・吉野都女楠(1710頃か)二)
- 「小難かしい理窟を捻りさうな気色が見える」(出典:社会百面相(1902)〈内田魯庵〉鉄道国有)
- ④ 歌や俳句などをどうにかこうにかつくる。また、本格的にではなく興味本位につくる。ひねくる。ひねり出す。
- [初出の実例]「わづかに手もとでこつこつと自分勝手な腰折をひねってゐたのであるが」(出典:うたよみ(1947)〈井上友一郎〉)
- ⑤ 相撲などを、かるくやる。また一般に、勝負事などで相手を軽く負かす。
- [初出の実例]「若い時は小相撲の一番もひねったおれぢゃ」(出典:浄瑠璃・五十年忌歌念仏(1707)上)
- ⑥ 小銭を紙にひねり包む。金を包む。
- [初出の実例]「奴(やっこ)、お供(とも)にくたびれて、十六文がひねってもらへば」(出典:咄本・蝶夫婦(1777)あんま取の感心)
- [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙 わざとふつうでない変わったことをする。しゃれたことをする。変わった趣向をこらす。ひねくれたことをする。
- [初出の実例]「かみこ仕立のうちかけにきむくのそろひ、とんだひねったものなれども」(出典:黄表紙・三筋緯客気植田(1787)下)
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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