手のひらや足の裏に無菌性の膿疱(うみをもった皮疹)が生じて慢性の経過をたどる病気です。完成像は、境界がはっきりした紅斑
現在のところは不明です。欧米では、
日本では乾癬とは無関係で、病巣感染や金属アレルギーを原因として重視する考え方もあります。
喫煙者に多い病気です。
手のひらや足の裏(とくに土踏まずの部分)に膿疱ができ、周囲に赤みをもつようになります。赤みはお互いにくっつき合って、手のひらや足の裏全体の皮がむけて赤くなる状態になり、そのなかに膿疱やかさぶたが見えるようになります。
専門医が見れば特徴的な臨床像から確定診断ができますが、
ステロイド薬の外用、エトレチナート(チガソン)の内服、免疫抑制薬(ネオーラル)の内服、紫外線療法などがありますが、短期間での根治は難しい病気です。
禁煙を心がけます。感染病巣の摘出という手段もあります。耳鼻科で
田中 俊宏
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報
〈しょうせきのうほうしょう〉とも読み,膿疱性細菌疹ともいう。手のひらや足底に頑固に繰り返して起こる皮膚疾患。病因については,病巣感染すなわち細菌アレルギーとする説,乾癬(かんせん)の一型とする説,あるいは金属アレルギーによるとする説など諸説があって,いまだ定説はない。手のひらや足底の小水疱で始まり,すぐに膿疱化し紅暈(こううん)(膿疱のまわりが赤くなること)を伴う。これがつぎつぎと多発して紅斑落屑(らくせつ)性局面(紅斑にかさぶた様のものがつく状態)となり,さらにこの上に多数の膿疱ができて汚ない病変となる。膿疱の内容は無菌で,かゆみの程度には個人差がある。まれにひじ頭,ひざ,頭髪部に紅斑落屑性の変化が出ることがある。水虫(足白癬)や膿疱性乾癬,稽留性肢端皮膚炎などとも類似するので注意を要する。治療としては,病因とみなしうる疾患があれば,まず原疾患に対する治療を行い,次いでステロイド外用療法を主体に行うが,完治するのは難しく,慢性化する。免疫抑制剤など特殊な治療方法が試みられることもある。
執筆者:山本 一哉
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…〈しょうせきのうほうしょう〉とも読み,膿疱性細菌疹ともいう。手のひらや足底に頑固に繰り返して起こる皮膚疾患。病因については,病巣感染すなわち細菌アレルギーとする説,乾癬(かんせん)の一型とする説,あるいは金属アレルギーによるとする説など諸説があって,いまだ定説はない。手のひらや足底の小水疱で始まり,すぐに膿疱化し紅暈(こううん)(膿疱のまわりが赤くなること)を伴う。これがつぎつぎと多発して紅斑落屑(らくせつ)性局面(紅斑にかさぶた様のものがつく状態)となり,さらにこの上に多数の膿疱ができて汚ない病変となる。…
※「掌蹠膿疱症」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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