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放線菌症 ほうせんきんしょうactinomycosis

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

放線菌症
ほうせんきんしょう
actinomycosis

放線菌類の感染症である。わらや穀物の穂などに媒介されて,放線菌が舌,虫歯,扁桃などから侵入し,主として口腔,咽喉,胃腸,肝臓などに病巣をつくる。特に下顎によく出現し,炎症が表面に及ぶと皮膚は発赤し,やがて赤紫色となり硬度を増す。ついには軟化し,膿が排出される。他の化膿菌と混合感染すれば,多発性の膿瘍と瘻孔を生じる。化膿巣中には,粟粒大顆粒状の菌塊がみられるのが特徴である。治療にはペニシリンの長期大量投与が行われる。

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デジタル大辞泉の解説

ほうせんきん‐しょう〔ハウセンキンシヤウ〕【放線菌症】

嫌気性の放線菌のアクチノミセスによって起こる病気。首・胸・腹などに板状のしこりができ、化膿(かのう)して瘻孔(ろうこう)を生じ、菌塊を含む膿汁を排出する。抗生物質が有効。アクチノミコーゼ。

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大辞林 第三版の解説

ほうせんきんしょう【放線菌症】

嫌気性の放線菌によって起こる疾患。頸部・肺・腸などに硬結を生じ、やがてそれが軟化して瘻孔ろうこうを作り、特有な菌塊を含む膿汁を排出する。農業従事者に多くみられる。アクチノミコーゼ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

放線菌症
ほうせんきんしょう

アクチノミセス・イスラエリーActinomyces israeliiなどの放線菌によっておこされる病気で、アクチノミセス症、アクチノミコーゼともいう。おもなものは胸部、頸部(けいぶ)、腹部の各放線菌症で、全身に広がることもある。菌は口腔(こうくう)や消化管内の常在菌で、酸素があると発育しない嫌気性である。抗細菌抗生物質剤がよく効くので、最近は減少し、重症はみられなくなった。胸部放線菌症は咳(せき)、痰(たん)、血痰、発熱など肺炎様症状がみられ、亜急性あるいは慢性に経過する。胸膜に波及すると胸痛や胸膜浸出液がみられ、皮膚面に破れて瘻孔(ろうこう)をつくり、ここから排出される膿(のう)中には特有の菌塊(ドルーゼ)がある。すなわち、直径2ミリ程度の灰白黄色の顆粒(かりゅう)状で、菌糸の集合からなり、この証明によって診断が確定する。頸顔部放線菌症は顎(がく)部に始まり、皮膚は暗紅色となる。軟部組織が板のように硬くなり、破れて瘻孔をつくるが、このため口が開かなくなることもある。腹部放線菌症は右下腹部(回盲部)に多く、初めは虫垂炎様であるが、腫瘤(しゅりゅう)をつくり、皮膚に波及しやすい。治療としてはいずれの場合も、ペニシリンGをはじめ多くの抗生物質剤が有効である。[福嶋孝吉]

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