狩勝峠(読み)カリカチトウゲ

デジタル大辞泉 「狩勝峠」の意味・読み・例文・類語

かりかち‐とうげ〔‐たうげ〕【狩勝峠】

北海道日高山脈北部の峠。標高644メートル。石狩十勝両地方を結ぶ交通要地国道38号線が通る。

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精選版 日本国語大辞典 「狩勝峠」の意味・読み・例文・類語

かりかち‐とうげ‥たうげ【狩勝峠】

  1. 北海道中部、日高山脈北端を横切る峠。国道三八号線が通り、鉄道はトンネルで抜ける。石狩国十勝国境界にあたったところからの名。

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日本歴史地名大系 「狩勝峠」の解説

狩勝峠
かりかちとうげ

南富良野町と十勝支庁上川郡新得しんとく町の境界をなし、国道三八号上にある。標高六四四メートル。地名は石狩国と十勝国の境に位置することに由来する。峠は十勝平野を一望できる景勝地で、新日本八景にも選定されている。一八五八年(安政五年)松浦武四郎は富良野から十勝越を敢行した。現富良野市の原始ヶ原げんしがはら付近を通って南富良野町北落合きたおちあいのシーソラプチ川の上流に下り、空知と十勝の分水嶺を越えて佐幌さほろ川の上流に達している(「戊午日誌」登加智留宇知之誌)。明治五年(一八七二)には開拓使官吏一ノ瀬長春が日高の沙流さる川と川をさかのぼって空知川上流の南富良野町金山かなやまに至り、そこから空知川に沿って同町落合で支流のユクルペシュペ川から狩勝峠を通って十勝越している(北海道河源探討記)

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改訂新版 世界大百科事典 「狩勝峠」の意味・わかりやすい解説

狩勝峠 (かりかちとうげ)

北海道中央部,日高山脈北部の鞍部で,石狩国と十勝国との境界にあたるのでこの名がある。1907年この峠を越える鉄道(根室本線)が狩勝トンネル全長953m)の完成により開通し,十勝地方の開拓は急速に進んだ。鉄道で峠を越えるとトンネルの東口で急に視野開け,十勝の大平野を車窓から望むことができる。66年この峠の南方新狩勝トンネル(全長5790m)が完成して,現在の根室本線は低い山腹部に抜け出る。以前の鉄道線路の一部はそのまま残されてJRの運転実験線として使用されたが,実験は79年に終了。国道38号線も通じ,峠近くに設けられた展望台から十勝平野を眺望することができる。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「狩勝峠」の意味・わかりやすい解説

狩勝峠
かりかちとうげ

北海道中南部にある日高山脈(ひだかさんみゃく)の峠。標高644メートル。地名は石狩国(いしかりのくに)と十勝国(とかちのくに)の境界に位置することによる。道東と道西を結ぶ輸送の動脈で国道38号が日高山脈を横断している。1907年(明治40)峠下に狩勝トンネル(延長953メートル)をうがち、国鉄釧路線(くしろせん)(現、JR富良野(ふらの)線および根室(ねむろ)本線の一部)が開通し、十勝側へ抜けたときの広大な展望で知られた。その後、1000分の20~1000分の25の急勾配(こうばい)と急カーブを緩和するため、1962年峠の南方約4キロメートルに新狩勝トンネル(延長5647メートル)建設に着手、1966年完成した。最高勾配は1000分の12。トンネルを出たときの景観は失われたが峠の展望台からは十勝平野を一望できる。

[古川史郎]

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百科事典マイペディア 「狩勝峠」の意味・わかりやすい解説

狩勝峠【かりかちとうげ】

北海道中部,新得(しんとく)町西端にあり,空知郡南富良野町との境界上に位置する。標高644m,国道38号線が通じ,十勝平野の雄大な展望で有名。根室本線が狩勝トンネルにより通じていたが,現在は峠の南部の新狩勝トンネルを通る。
→関連項目新得[町]南富良野[町]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「狩勝峠」の意味・わかりやすい解説

狩勝峠
かりかちとうげ

北海道中央部,日高山脈と大雪山火山群との鞍部にある峠。標高 644m。新得町と南富良野町の境界に位置する。国道 38号線が通じ,十勝平野の展望は雄大。南方約 4kmに JR根室本線の新狩勝トンネル (全長 5790m) が通る。

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事典・日本の観光資源 「狩勝峠」の解説

狩勝峠

(北海道空知郡南富良野町・上川郡新得町)
日本八景〔東京日日新聞・大阪毎日新聞〕」指定の観光名所。

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世界大百科事典(旧版)内の狩勝峠の言及

【新得[町]】より

…南北に細長く,面積は東京都の1/2にあたるほど広い。町の南端にあって根室本線が通じる中心市街地新得は,1907年の鉄道開通以来,西に狩勝(かりかち)峠をひかえる鉄道の町として発展した。また森林が町域の大部分を占めるため,製材,チップ,合板など木材工場が立地する。…

※「狩勝峠」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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