方人(読み)カタウド

デジタル大辞泉 「方人」の意味・読み・例文・類語

かた‐うど【方人】

《「かたひと」の音変化》
かたひと」に同じ。
「―共、各々世の中にありがたき物をば」〈今昔・二八・三五
味方仲間。かとうど
平家の―する者ここにあり」〈平家・六〉

かた‐ひと【方人】

歌合わせや競争などで、二組に分けられた一方の人。かたうど。
一二相撲すまひ、―にとられ給へる御子達上達大将、中少将かへし給ふ」〈宇津保・内侍督〉

かとうど〔かたうど〕【人】

かたうど

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精選版 日本国語大辞典 「方人」の意味・読み・例文・類語

かた‐うど【方人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かたひと」の変化した語 )
  2. かたひと(方人)
  3. ( ━する ) 味方すること。ひいきをすること。また、味方。仲間。
    1. [初出の実例]「あひ思ひたらす人も、かたうとなどなからん人は、はえなき心地すれば」(出典:讚岐典侍(1108頃)下)
    2. 「あはや、此国にも平家のかたうどする人ありけりと、力付きぬ」(出典:平家物語(13C前)六)

かとうどかたうど【方人】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かどうど」とも )
  2. かたうど(方人)
  3. ( ━する ) 片方に加担すること。一方に味方すること。
    1. [初出の実例]「是も志意をよろこばしめ、命をやしなうのみちなりと随意の荷担人(カドウド)して放言なをやまず」(出典洒落本跖婦人伝(1753))

かた‐ひと【方人】

  1. 〘 名詞 〙 中古、歌合(うたあわせ)などで、左右に分かれて争う場合、その一方を応援する人。また、一方に属する人。かたうど。
    1. [初出の実例]「歌読、是則・貫之、かたひと、兼覧(かねみ)大君・きよみちの朝臣」(出典:二十巻本延喜十三年亭子院歌合(913))

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普及版 字通 「方人」の読み・字形・画数・意味

【方人】ほうじん

人物較べ。

字通「方」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

世界大百科事典(旧版)内の方人の言及

【歌合】より

…また当座歌合,兼日歌合,撰歌合,時代不同歌合,自歌合,擬人歌合など,歌人関与のあり方を規準として区分することもあって,歌合の分類は多岐複雑である。 またその構成は,人的構成にのみ限っていうと,王朝晴儀の典型的な歌合にあっては,方人(かたうど)(左右の競技者),念人(おもいびと)(左右の応援者),方人の頭(とう)(左右の指導者),読師(とくし)(左右に属し,各番の歌を順次講師に渡す者),講師(こうじ)(左右に属し,各番の歌を朗読する者),員刺(かずさし)(左右に属し,勝点を数える少年),歌人(うたよみ)(和歌の作者),判者(はんじや)(左右の歌の優劣を判定する者。当代歌壇の権威者または地位の高い者が任じる)などのほか,主催者や和歌の清書人,歌題の撰者などが含まれる。…

※「方人」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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