出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
中国古代において〈方術〉と呼ばれる技術,技芸を駆使した人たち。〈術士〉〈方術士〉〈道士〉などとも呼ばれた。方士の起源は戦国時代の斉や燕など東方の沿海地域にもとめられ,もっぱら鬼神と通ずる術をあやつって〈巫〉に類似するが,その術は斉の学者の鄒衍(すうえん)の思想によって潤色された。秦の始皇帝は方士のすすめに従って東海中に存在すると信ぜられた三神山に〈不死の奇薬〉をもとめさせたことがあり,漢代においても方士の活動はさかんであった。漢の武帝の時代,その数は数万人にのぼったといわれ,宮廷に集まった〈海上燕斉の怪迂(かいう)の方士〉たちはさまざまの神秘のことがらを語り,また李少君,李少翁,欒大(らんだい)たちは却老(延年)の術,鬼神役使の術,錬金の術などをもって取り入った。宮廷ばかりではなく,淮南王劉安のもとには数千人の方士が食客として抱えられた。
執筆者:吉川 忠夫
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特殊な技術、方法を身につけた人、の意味。具体的には、古代中国で、不老長生の説を唱えたり、そのための魔術的技法や薬方(やくほう)を使った者をさす。いまの山東省やその周辺の地や海辺に多かったと伝えられる。その後、紀元前3、2世紀には、宮廷にも多くの方士が現れて、不死の仙薬の調合に成功したと言上したり、亡くなった皇后を呼び戻してみせると詐(いつわ)ったり、五色の「神気」が見えたとして、五帝廟(びょう)を建てるよう勧めたりした。紀元後3世紀ごろからは、この語にかわって道士(どうし)の語が多く使われるようになった。
[福井文雅]
『顧頡剛著、小倉芳彦他訳『中国古代の学術と政治』(1978・大修館書店)』
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…中国発祥の陰陽道と称する特殊な方術の占法をもってすべての吉凶災福を察知し,これに処するための呪術作法を行う宗教家で,方士,方術士,方伎士などとも呼ばれる。官僚としては684年(天武13)2月,新都選定の卜占に派遣された記事が初見で,律令制下では陰陽寮に6人の定員がおかれ占筮相地等をなし,地方では大宰府はじめ東海・東山・山陰・西海各道や陸奥鎮守府に配置された。…
…元来,〈道人〉の語とともに広く〈有道の士〉を意味し,仏教の僧侶もこの語でよばれることがあった。同時にこの語には〈道術の士〉〈方士〉の意味がそなわっており,およそ4世紀以後,もっぱら道教の専門的実修者をさすようになった。女性の道士は〈女道士〉とも〈女冠〉ともよばれる。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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