日暮れて道遠し（読み）ヒクレテミチトオシ

デジタル大辞泉

日ひ暮くれて道みち遠とおし

《「史記」伍子胥伝から》
１ 年を取ってしまったのに、まだ目的を達するまでには程遠いたとえ。
２ 期限は迫っているのに、物事がまだ容易には出来上がらないたとえ。

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

ひ【日】 暮(く)れて道(みち)遠(とお)し

1. ( 「史記‐伍子胥伝」の「吾日暮塗遠、吾故倒行而逆_二施之_一」による。日は暮れたのに、前途の道のりはまだまだ長いの意から ) 年をとったのに目的はまだなかなか達せられないこと、また、期限は迫っているのに物事がまだまだできあがっていないことのたとえ。
   1. [初出の実例]「一生は雑事の小節にさへられて、空しく暮れなん。日暮、塗(みち)遠し」(出典：徒然草（1331頃）一一二)

出典　精選版 日本国語大辞典

故事成語を知る辞典

日暮れて道遠し

年を取ったのに、人生の目的がまだ達成できていないことのたとえ。また、期限が迫っているのに、仕事などがまだまだ終わりそうにないことのたとえ。

[使用例] 昔の役者は旅興行に半年も持って歩いて、すっかり自分の物にしてから、江戸の舞台に掛けたものです。それも若い時に。私なぞ本当に「日暮れて道遠し」で、今さら悔んでももう駄目です［坂東三津五郎＊歌舞伎 虚と実｜1973］

[由来] 「史記―伍ご子し胥しょ伝」に載っているエピソードから。紀元前六世紀、春秋時代の中国でのこと。楚その国に仕えていた伍子胥は、父と兄を平へい王おうに殺され、呉ごという国へと亡命しました。それから一六年、呉軍を率いてついに楚へと攻め込んだ彼は、すでに亡くなっていた平王の「死屍に鞭打つ」という復讐を遂げます。そのやり方があまりにもひどいのを非難された伍子胥は、「私は『日暮れて塗みち遠し（日が暮れてきたのに、目的地まではまだ遠い）』という状況だったから、人の道を外れたことをしてしまったのだ」と弁解したのでした。

出典　故事成語を知る辞典

ことわざを知る辞典

日暮れて道遠し

日が暮れてきたのに、まだまだ目的地までの道のりは遠い。年をとったのに人生の目的がまだなかなか達せられないこと。また、仕事などの期限が迫っているのに、目標を達成するにはほど遠いことのたとえ。

[使用例] 昔の役者は旅興行に半年も持って歩いて、すっかり自分の物にしてから、江戸の舞台に掛けたものです。それも若い時に。私なぞ本当に「日暮れて道遠し」で、今さら悔やんでももう駄目です［坂東三津五郎＊歌舞伎虚と実｜1973］

[解説] 「史記―伍子胥伝」にあることばによるもの。

出典　ことわざを知る辞典