日本大百科全書(ニッポニカ) 「日本軽金属」の意味・わかりやすい解説
日本軽金属(株)
にっぽんけいきんぞく
アルミニウム業界最大手で製錬から加工まで携わる唯一の一貫専業会社。1939年(昭和14)設立。1940年から43年にかけて蒲原(かんばら)(静岡県)、新潟、清水(静岡県)の3工場を建設し、アルミナからアルミ地金までの一貫生産体制を確立した。1948年(昭和23)に第二次世界大戦末期から停止していた原料ボーキサイト輸入が再開し、戦後のアルミ本格生産がスタート。1952年にはカナダのアルミニウム・リミテッドと提携。1950年代末から60年代初めにかけて加工分野で系列会社を拡大するとともに、副原料、商事、不動産部門で一連の子会社を設立した。1960年代にはボーキサイトの安定確保のため、マレーシアやオーストラリアの企業に出資。1974年、製錬から加工品までの一貫生産体制確立のため日軽アルミを合併。石油ショック後は加工部門の拡大に力を注いでいる。最近では電子材料を重視。資本金は391億円(2008)、売上高2029億円(2008)。苫小牧(とまこまい)(北海道)、蒲原などに工場をもつ。
[橘川武郎]
『日本軽金属株式会社編・刊『日本軽金属五十年史』(1991)』