昆虫ホルモン(読み)こんちゅうホルモン(英語表記)insect hormone

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「昆虫ホルモン」の意味・わかりやすい解説

昆虫ホルモン
こんちゅうホルモン
insect hormone

昆虫ホルモン脊椎 (せきつい) 動物に比べて種類が少なく,内分泌器官も脳,アラタ体,幼若体が知られる程度である。しかし,1つのホルモンの持つ作用は多種多様であり,いまだに未知な部分も多い。昆虫ホルモンで特に有名なのは変態ホルモンである。脱皮を誘導するエクジソンと,蛹化阻止やさまざまな器官の成熟の機能を持つ幼若ホルモンの2種類のホルモンの組み合わせにより,一連の複雑な変態が行なわれている。幼若ホルモンは比較的簡単な構造のため,ホルモン活性を持つ化合物が合成でき,殺虫剤等農業面でも利用価値の高いものとなっている。

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