昆陽池(読み)こやのいけ

デジタル大辞泉プラスの解説

昆陽池

兵庫県伊丹市にある溜池。「こやいけ」と読む。8世紀前半に僧・行基が築造したものと伝わる歴史ある池で、和歌や俳句にも多く詠まれている。かつては昆陽上池・下池の2つの池があったが下池は慶長年間に埋め立てられた。渡り鳥の飛来地で、給餌池や野鳥観察橋などが設置されている。2010年、農水省「ため池百選」に選定された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

昆陽池
こやいけ

兵庫県南東部、伊丹市(いたみし)にある溜池(ためいけ)。伊丹台地は断層と旧川筋が刻んだ窪地(くぼち)が多く、そこに数多くの溜池がつくられ、水田が開かれた。その代表が昆陽池で、奈良時代に僧行基(ぎょうき)(こや)上池、下池などをつくったという。しかし現在の昆陽池との関係は不明である。池の周囲は約4キロメートルであったが、東部を企業の総合グランドに埋め立てられて狭くなった。松並木の池畔のたたずまいは風情がある。[二木敏篤]

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世界大百科事典内の昆陽池の言及

【伊丹[市]】より

…住宅都市化は阪急電鉄の宅地開発が契機となったが,人口が急増するのは昭和30年代に入ってからで,旧市街の西や北の段丘面の開発が急速に進んだ。猪名川西岸の標高30~100m以下の段丘面は,猪名野(稲野)と呼ばれた水田地帯で灌漑用の溜池が多く,最大の昆陽(こや)池は天平年間(729‐749)ごろ僧行基が築造したと伝えられる。豊中市との境にある大阪国際空港(通称,伊丹空港)は,1937年に逓信省の飛行場として建設され,59年に第1種空港に指定,改称された。…

【昆陽野】より

…兵庫県伊丹市北部,旧摂津国武庫郡(後に河辺郡)児屋(小屋)郷あたりの野。《万葉集》に〈猪名野〉として歌われている南東方の為奈郷と同様,猪名川と武庫川にはさまれた平坦な台地上にあるため,灌漑の便少なく,広い原野を残していたが,奈良時代に行基によって昆陽池が造築され,昆陽寺が建立された。また京都と西国を結ぶ大路が東西に横ぎっていたので,平安貴族にも昆陽(小屋)野,昆陽池は歌枕として知られ,平清盛の福原遷都のさい,一時昆陽野に造都の案も出された。…

※「昆陽池」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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