第一次世界大戦期インフレによる物価騰貴を抑えるため農商務省が定めた省令「暴利ヲ目的トスル売買ノ取締ニ関スル件」の通称。1917年(大正6)9月1日寺内正毅(まさたけ)内閣により公布施行された。適用を受けた物品は、米穀類、鉄類、石炭、綿糸および綿布、紙類、染料、薬品、肥料(18年6月追加)で、買占めや売り惜しみに対して戒告、さらに3か月以下の懲役、100円以下の罰金が定められた。おもなねらいは米価騰勢を抑えることにあったが、米騒動を未然に防ぐことはできなかった。その後、日中戦争開始直後の37年(昭和12)8月改正強化(26品目に拡張)され、さらに翌年7月全重要商品に適用されることになり、39年12月26日「暴利行為等取締規則」として大改正された。なお、関東大震災時の緊急勅令(時限公布)も暴利取締令と称される。
[松元 宏]
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