有徳銭(読み)うとくせん

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有徳銭
うとくせん

鎌倉,室町時代,経済的な富裕者 (有徳者という) に課された税金。特に荘園支配が崩壊しつつあった室町時代に幕府大名寺社などの大きな財源となった。最初,臨時課税であったが次第に恒常化した。

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百科事典マイペディアの解説

有徳銭【うとくせん】

鎌倉時代以後,特に室町時代,幕府や畿内の大社寺,守護大名が,都市の土倉(どそう)・酒屋,荘園内の富裕者に課した臨時税。なお富裕者を有徳人といった。

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世界大百科事典 第2版の解説

うとくせん【有徳銭】

有得銭とも書く。あるいは徳銭,徳役,有福ともいう。中世では徳=得であり,有徳人とは富裕な人をいった。その有徳人に賦課した臨時税が,有徳銭である。当初は臨時の借米であったが,のちには課税となり,だんだん恒常的な性格をもってきた。早い例として,鎌倉末期,1304年(嘉元2)東大寺が伊賀国黒田荘に課した有得借米や14年(正和3)やはり同荘に課した有得御幸銭を見ることができる。94年(応永1)将軍足利義満の日吉社参詣に際し,比叡山延暦寺が坂本の富裕の輩に,借用の形で,1200貫を徴したのも,有徳銭といえよう。

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大辞林 第三版の解説

うとくせん【有徳銭】

室町時代、幕府・守護・寺社などが富裕な人々から徴収した一種の税金。徳銭。有徳。

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精選版 日本国語大辞典の解説

うとく‐せん【有徳銭】

〘名〙 室町時代、幕府、守護、大寺社が近江坂本、奈良などの都市の特定の金持ちに負担額を指示して、臨時経費の支弁を求めた臨時の税。のちには幕府、大寺社の主要な財源として恒常化した。うとく。徳銭。有福。
※大乗院寺社雑事記‐長祿三年(1459)七月八日「一為六方奈良中ニ有徳銭懸之」

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