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有益費 ゆうえきひnützliche Verwendung

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

有益費
ゆうえきひ
nützliche Verwendung

物の価値を増加するのに役立った費用。家屋に雨戸を新調するため,また土地を改良するために要した費用など。家屋にステンドグラスを取付けるなど,特別の趣味による造作を施すために要した費用は,奢侈費と呼ばれて有益費と区別される。他人の物を管理または使用する者,たとえば質権者,賃借人や事務管理者が支払った有益費は,所有者がこれらの者に,また抵当権実行によって所有権を失った抵当権の目的物の第三取得者や買戻し権を実行された買主などが支払った有益費は,新たに所有者となった者がこれらの者に,それぞれ返還しなければならない (民法 196など) 。ただし事務管理者以外の者の支払った有益費の返還は,有益費による価格増加が現存する場合に限り請求でき,返還義務者は現実に支払われた費用の額か,あるいは有益費による増加価値相当額のいずれか一方を選択しうるのに対し,事務管理者の支払った有益費の返還については,本人 (所有者) の意思に反しない事務管理であった場合は現実に支払われた費用の全額,本人の意思に反した事務管理であった場合は有益費による増加価値で現存している額のみを支払えば足りるものとされ,取扱いを異にしている (702条) 。

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうえきひ【有益費】

他人の物を占有する者がその物の客観的価値を増加するために支出した費用。たとえば,借家人が借家に公共下水道を設置するために支出した費用などがこれに該当する。このような費用支出の結果は賃貸借契約が終了した後になっても賃貸人に対して利便を残すものであるから,賃貸借契約の終了時に賃貸人から借家人に返還されるべきものである(有益費償還請求権。民法608条2項,192条2項)。なお,類似したものとして必要費があるが,費用が返還される時期に有益費との差異がある。

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大辞林 第三版の解説

ゆうえきひ【有益費】

物の改良のための費用。民法上、有益費を支出した者は、その価格の増加が現存する場合に限り償還を請求できる。 → 必要費

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世界大百科事典内の有益費の言及

【必要費】より

…民法608条1項,196条1項)。有益費との差異は,物の現状維持に必要な費用か,それとも物の価値をたかめるための費用かという点にあり,このような性質に対応して,費用償還がただちに行われるべきか,それとも賃貸借終了時に行われるべきかという償還時期の差異が生じる。【栗田 哲男】。…

※「有益費」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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