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木印 きじるし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

木印
きじるし

木材を伐採し川へ流して運ぶ,いわゆる川下げなどのとき,木材の所有者を区別するためにつける符丁のこと。多くは縦横斜めの短い線を組合せた簡単な図形で,で木の幹に彫りつける。所有者の家を区別する家印と,所有者の村を示す村とがある。この家印が,のちには木材だけでなく道具類,農具類にも用いられるようになり,商標などの起源ともなった。

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デジタル大辞泉の解説

き‐じるし【木印】

占有者を標示するために切った木につける刻印。山じるし。切り判。

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百科事典マイペディアの解説

木印【きじるし】

伐採した木の所有または所属を示すためにつける標識。川に流したり,(いかだ)に組んだりする際に,鉈(なた)や斧(おの)で刻むため,形はごく単純なものが多い。十文字や×印,△印の三つほどの原形をいろいろ組み合わせて作られ,本家分家の関係まで識別できる。

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世界大百科事典 第2版の解説

きじるし【木印】

木材の所有もしくは所属を示すために木に切り刻む印。一般には伐採した木を,川を流したり,いかだに組んだりして搬出するに際し,木の所有を明確にすることが必要なため刻む。木に直接なたや斧で切りつけて刻むので,ごく単純な直線状の印であることが多い。十文字や×印,あるいは△印を基本とし,それらを組み合わせたり,それらに別の線を加えることでさまざまな印を作った。その場合,分家は本家の印に一部変更を加えることで自分の家の木印とすることが多かった。

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大辞林 第三版の解説

きじるし【木印】

きこりが自分の切った木に刻みつけて占有を示すしるし。山印。切り判はん。きざ。

もくいん【木印】

木の印材に彫った印章。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

木印
きじるし

伐採した木材に刻み込む占有標識。「刻み目」の組合せで一定の「型」が個別に生じ、仲間内の弁別に資した。とくに流木による一括集材にはこれが必要であった。また共有山野の薪山、草山の区分標示などにも、立ち木や杭木(くいぎ)に特定の「刻み目」をつけて占有の標示とすることもあった。キダ、ケダなどともいい、斧(おの)、鉈(なた)の「刻み目」の組合せで生ずる簡素な占有標示は、「焼き印」による自家所有標示のための「家印」にもつながるところで、むしろその原形をしのばせるものがある。とくに山中に隔絶した仲間生活を送ってきた伐木職人仲間には久しく慣用されて、自己伐採材の標示となり、また「伐木伝票」の自己標示としても「木印」は用いられ、ときには伐採小屋の自己所有物の標示にも、それが転用されていた。放牧の牛馬につける「耳印」とともに、占有標識の原初的な姿をとどめるものであり、「家印」や「紋章」の発生を示唆するものともいえよう。[竹内利美]

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