大正・昭和初期のインド哲学・仏教学者。明治14年8月11日、岩手県に生まれる。幼名は二蔵。幼時期に酒屋に奉公に出されるなど苦労したが、やがて曹洞宗(そうとうしゅう)大学(現、駒沢(こまざわ)大学)に進み、さらに東京帝国大学を卒業して、1912年(大正1)同大学講師、1923年より教授となる。著書には恩師高楠順次郎(たかくすじゅんじろう)との共著『印度(いんど)哲学宗教史』、学士院恩賜賞の『印度六派哲学』、学位取得論文である『阿毘達磨(あびだるま)論の研究』などの学術的業績のほか、『解脱(げだつ)への道』などの啓蒙(けいもう)的な著述もある。日本における近代仏教学の開拓者の一人として活躍したが、東大在職中に50歳で没した。
[池田練太郎 2016年8月19日]
『『木村泰賢全集』全6巻(1968〜1969/オンデマンド版・2004・大法輪閣)』
出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報
インド学・仏教学者。岩手県生れ。東京帝国大学印度哲学科卒業。宇井伯寿とともに高楠順次郎より学をうける。《印度六派哲学》(1915)で学士院賞受賞。イギリス留学を経て《阿毘達磨論の研究》(1922)では新学位令による同大学最初の文学博士号を取得。1923年から急逝するまで同大学印度哲学科の教授を務める。主著に小乗仏教,アビダルマの煩雑な思想を達意な手法で整理・統合した《小乗仏教思想論》(1935),《印度哲学宗教史》(1914。高楠順次郎と共著)などがあり,仏教学,印度哲学・宗教の分野に優れた業績を残した。
執筆者:丸井 浩
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報
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