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本物返 ほんものがえし

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

本物返
ほんものがえし

買戻し特約文言つきの売買をさす中世,近世法上の用語。実際には入質 (占有質) と同様の機能を果すことが多い。その記載の文言によって,今日の売渡し担保に相当するもの,無期限有合せ次第で買戻しが可能なもの,一定年期が経過したのちに買戻しが可能となるものの3種に分類される。年紀売と類似するが,年紀売は一定期間経過後に物の返還が行われるが,本物返は買戻し行為があって,初めて返還が可能となり,この点が大きく異なる。永享 12 (1440) 年,室町幕府は,所領について,その収益が本銭1倍 (200%) に達したときには,これを売主に返還せしめるという令を下した。したがって,ここにおいて,本物返と年紀売との区分は,きわめて曖昧となった。近世における本物返は,江戸幕府の田畑永代売買禁止令を脱法するために使用されることが多く,買戻し文言は付されていても,それは形式にすぎない場合が大部分であった。

出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について | 情報

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