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朱印寺社領ともいう。江戸時代において,将軍の朱印状によって領有を認められた寺社の領地,および朱印状によって租税免除の特権を与えられた寺社の所持地をいう。前者は寺社の知行地で,寺社は封建領主(地頭)としての支配権(領知権)を行使したが,その内容は租税徴収権とそれに付随するごく軽微な行政権にすぎなかった。これに対して後者は,寺社が持主(地主)として所持する土地であり,領主に対する租税を朱印状によって免ぜられていたのである。前者の場合も後者の場合も,朱印状にはしばしば山林竹木免除文言が記されており,それは領内の山林竹木を修造・採薪の目的で伐採する特権(山林竹木の伐採は一般に禁止されていた)が与えられていることを意味した。人足免除文言,地子銭免除文言が記されていることもあり,その場合は領内から人足を徴発し,あるいは地子銭を徴収することが認められた。このように将軍の朱印状のある寺社領を朱印地と呼ぶのに対し,藩主が黒印状によって領有を認め,もしくは免税等の特権を認めた土地を黒印地と呼んだ。
執筆者:林 由紀子
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近世期、豊臣(とよとみ)氏や徳川歴代将軍の朱印状によって領有が保証された土地をいうが、その多くは寺社朱印地である。朱印地を与えられた寺社の数は、4代将軍家綱(いえつな)までは増加傾向にあるが、その後はほとんど固定して、朱印地をもつことが寺社の一つの格式を示すようになる。朱印地石高(こくだか)の大きい場合、寺社は領主として代官などを置いて寺社領農民から年貢・諸役を徴収するなど直接の領有をするが、朱印地石高の小さい場合は、その地域の支配領主から朱印地高の年貢・課役を免除される形となる。
[高埜利彦]
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…【笠松 宏至】
[近世]
江戸時代には主君から給与された所領知行は一代限りという原則のもとに,相続は許可制をとり,将軍代替りの際には判物(はんもつ)あるいは朱印状によって継目安堵が行われ,大名よりは判物や黒印状をもって行われた。朱印状によって安堵された所領は総称して朱印地というが,大名領が領分,旗本領が知行所と呼ばれるのに対し,狭義には寺社領のみを指す。これに対し大名による安堵地を黒印地という。…
※「朱印地」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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