中国、宋(そう)代の女流詞人。号は易安(いあん)居士。済南(山東省)の人。文学、芸術に通じた才女で、金石学者として知られる趙明誠(ちょうめいせい)に嫁し、趣味と学問の優雅な生活をともにしたが、北宋末の金軍の侵略のため江南に逃れ、ついで夫に死別、晩年は浙江(せっこう)省に流寓(りゅうぐう)し、再婚、離婚を経験するなど不遇であった。明誠の著述『金石録』は彼女の協力によってなったという。当時流行の歌辞文芸「詞」の作家としてことに有名。清新な感覚と警抜な表現をもって傑出し、女流詞人の第一人者としての名声がある。詞集は『漱玉(そうぎょく)詞』一巻。また詩文をもあわせた新しい輯本(しゅうほん)『李清照集』(1962)がある。
[村上哲見]
『中田勇次郎著『漢詩大系24 歴代名詞選』(1965・集英社)』▽『村上哲見注『中国詩文選21 宋詞』(1973・筑摩書房)』
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…著録はすべて自分の収集した拓本により,体裁は先輩の欧陽修の《集古録跋尾(ばつび)》にならった。巻末に付された趙明誠の妻である李清照の跋は,名文として知られている。清代の葉苞(しようらんほう)の《金石録補》《続跋》は本書未著録の金石文を補ったもの。…
…また,女性たちが地方色豊かな作品を生み出し地方主義文学の主要な担い手であることは無視できない。【佐藤 宏子】
[中国]
胡文楷の《歴代婦女著作考》は,漢代から清末まで4000人余の女流著述家を著録するが,その中で文学史上とくに名を知られるのは,わずかに後漢の蔡琰(さいえん),唐の薛濤(せつとう),魚玄機,宋の李清照など数名にすぎない。その中では韻文の一ジャンルである詞において堂々の詩論をもつ李清照が独自の世界をうたいあげた出色の存在である。…
…しかし彼らの作はやはり例外的であり,詩余の歌曲のメロディはおそらく,やるせない悲しみをうたうのに最も適していたと思われる。李清照(易安)のような女流詩人が,このジャンルのすぐれた作家であったのは偶然でない。その歌曲の流行が衰えた13世紀以後には〈詩余〉を作る人も少なくなる。…
※「李清照」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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