日本大百科全書(ニッポニカ) 「村岡範為馳」の意味・わかりやすい解説
村岡範為馳
むらおかはんいち
(1853―1929)
物理学者。因幡(いなば)国(鳥取県)八上(やかみ)郡釜口(かまぐち)村(現、鳥取市河原(かわはら)町釜口)生まれ。1870年(明治3)大学南校に入りドイツ語を学ぶ。1875年文部省に出仕し、1881年師範学科の調査のためドイツに留学、ストラスブール大学でクント、ラウエ、レントゲンらに学ぶ。翌1882年帰国し、東京大学、第一高等学校、第三高等学校、女子高等師範学校、東京音楽学校、東京高等師範学校の教授を歴任。1897年に京都帝国大学が創立されるとその教授になった。音響学や日本魔鏡の研究で知られる一方、後進の教育に貢献した。
[井原 聰]