東雅(読み)とうが

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

東雅
とうが

語源書。新井白石著。享保2 (1717) 年成立,同4年改編。刊行は 1903年。書名は『爾雅』に基づき,「東方の爾雅」の意。名詞を 15部門に分け,まず漢字を示し,かたかなの訓をつけ,古書をあげて語源解釈をしている。解釈に際しては,時代性音韻を重視することを説く。こじつけも多いが,「きぬ」は漢語「絹」が古期朝鮮語を経て日本語に入ったものとするなど,いちはやく朝鮮語との関係に言及した注目すべき意見なども述べている。

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世界大百科事典 第2版の解説

とうが【東雅】

新井白石著の注釈書(辞書)。1719年(享保4)脱稿。20巻。中国の《爾雅(じが)》にならったもので,《和名類聚抄》にみえる物名について語義の解釈をしたものである。〈天文〉〈地輿〉〈神祇〉〈人倫〉などと分類され,天地よりはじめて虫魚の類に及んでいる。《古事記》《日本書紀》《万葉集》などの古書を参照するとともに,百済語や琉球語なども参照して,古語の意味だけでなく,語源についても考察が試みられている。【平野 仁啓】

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大辞林 第三版の解説

とうが【東雅】

語源研究書。新井白石著。1717年成立。二〇巻。中国の「爾雅じが」にならい、国語の名詞を一五の部門に分け、古文献に拠って語源を考究したもの。

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世界大百科事典内の東雅の言及

【辞書】より

…谷川士清(ことすが)の《和訓栞(わくんのしおり)》93巻(1777(安永6)以後の刊行)は古語のほか俗語方言なども収め,五十音順であり,太田全斎の《俚言(りげん)集覧》(増補本は1900)は俗語を集めたもので,アカサ…イキシ…の順で並べてある。 このほか特殊辞書には,語源辞書として松永貞徳の《和句解》(1662∥寛文2),貝原益軒の《日本釈名》(1700∥元禄13),新井白石の《東雅》(1717(享保2)成立),契沖の提唱した歴史的仮名遣いを整理増補した楫取魚彦(かとりなひこ)の《古言梯》(1764(明和1)成立),方言辞書で越谷吾山《物類称呼》5巻(1775∥安永4),類書として寺島良安の《和漢三才図会(ずえ)》105巻(1712(正徳2)成立),山岡浚明の《類聚名物考》(1903‐05)などがある。
[明治時代以後]
 ヨーロッパの辞書の影響を受けて,その体裁にならった辞書が生じた。…

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