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枯草菌 こそうきんBacillus subtilis; hay bacillus

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

枯草菌
こそうきん
Bacillus subtilis; hay bacillus

真正細菌目,バチルス科の細菌の一種で,好気性でしかも芽胞を形成する代表的な菌種。土壌枯草塵埃下水中など,自然界に広く存在している。納豆をつくるときに使うのはこの菌の一種。病原性はほとんどないが,結膜炎虹彩炎,全眼球炎などを起すこともある。

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世界大百科事典 第2版の解説

こそうきん【枯草菌 hay bacillus】

土壌,枯草など広く自然界に分布する細菌。枯草からよく分離されるのでこの名がある。英名もそれに由来する。好気性の杆菌で,耐熱性胞子を形成する。グラム陽性。生細胞は0.7~0.8μm×2.0~3.0μm程度の大きさで,周鞭毛により運動する。胞子は細胞の中央または中央よりやや離れたところに形成され,卵形または円筒形である。胞子は数時間の煮沸にも耐えるので,胞子の滅菌は高圧滅菌によらなければならない。液体培養では表面にややしわのある皮膜を形成する。

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大辞林 第三版の解説

こそうきん【枯草菌】

空気中や枯れ草・土壌中など自然界に広く分布する細菌。好気性で、熱に強い。味噌・醬油のもろみに多数存在。納豆菌もこの一種。糸をひく腐敗は枯草菌によるものが多い。遺伝学の実験材料としても多用される。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

枯草菌
こそうきん
[学]Bacillus subtilis

真正細菌目バチルス科に属するグラム陽性の細菌で、胞子(芽胞(がほう))を形成し、好気性。かつて納豆(なっとう)B. nattoや馬鈴薯(ばれいしょ)B. mesentericusとよばれたものも同種である。形態は通常、桿(かん)状で、ときには短桿状、長桿状となる。0.5~2.5×1.2~10マイクロメートル(1マイクロメートルは100万分の1メートル)。周鞭毛(べんもう)をもち、胞子は卵形である。発育はきわめて早く、寒天培養基上では灰白色で平滑、またはわずかに皺(しわ)状の集落(コロニー)をつくる。集落は円形ないしアメーバ状で、粘質性である。ゼラチンは速やかに液化し、含糖液体培地ではガスを生産せず、また牛乳を凝固しないで、徐々にアルカリ性となる。発育温度は30~37℃である。
 自然界に広く分布し、強力なタンパク、デンプン分解酵素のほか、ペクチン分解酵素を生産する。ときには抗生物質を生産し、納豆のほか酵素剤の製造にも応用され、この方面での研究が進んでいる。発酵工業や種菌培養の雑菌として有害菌であるが、胞子はきわめて抵抗性が強いため、滅菌という場合は、本菌を絶滅することを意味すると考えてよい。[曽根田正己]

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世界大百科事典内の枯草菌の言及

【バシルス】より

…また脱窒能を有する菌種も知られている。枯草菌B.subtilisのアミラーゼ,プロテアーゼは工業的に生産されている。一方,セレウス菌B.cereusは食品の腐敗に関係し食中毒の原因菌となる。…

※「枯草菌」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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