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銀行等保有株式取得機構 ぎんこうとうほゆうかぶしきしゅとうくきこう

ASCII.jpデジタル用語辞典の解説

銀行等保有株式取得機構

銀行の持ち合い株解消のために設置された受け皿機構。保有する株式が下落することで、銀行の経営体質が不安定化するのを防ぐため、銀行が保有する持ち合い株を、市場を通さずに時価で買い取る機構。時間をかけて市場に放出する。「銀行偏重の優遇措置」「市場への政府の不正介入」「株価変動のリスクを公的資金でまかなうのは不公正」など反対意見もあったが、機構が銀行の持ち合い株解消の受け皿となり、株式市場に影響を与えず銀行経営を安定させることで、貸し渋りなどの現象を抑制し、景気回復につながるとの見通しもある。

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デジタル大辞泉の解説

ぎんこうとうほゆうかぶしきしゅとく‐きこう〔ギンカウトウホイウかぶシキシユトク‐〕【銀行等保有株式取得機構】

銀行間の株式持ち合いを解消するために設置された機構。平成14年(2002)に大手銀行・地方銀行が出資して設立。株価下落のリスクを回避するため、銀行が保有する持ち合い株を市場を通さず直接時価で買い取り、時間をかけて市場に放出する。株式市場に影響を及ぼさずに銀行経営を安定させ、貸し渋りを防ぐことなどがねらい。
[補説]業務は平成18年(2006)9月までに約1兆6000億円分を買い取って終了したが、平成20年(2008)の世界的金融危機による株価の下落で銀行の含み損が拡大したため、緊急市場安定化策の一つとして、同機構による株式買い取りを再開する法案が成立した。平成21年(2009)3月から3年間の時限措置で、買い取り枠は最大20兆円。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

銀行等保有株式取得機構
ぎんこうとうほゆうかぶしきしゅとくきこう

銀行や企業間の株式持ち合いを解消するため、銀行や企業から持ち合い株を市場を通さずに直接時価で買い取る認可法人。銀行株式保有制限法(「銀行等の株式等の保有の制限等に関する法律」)に基づき、2002年(平成14)1月に政府主導で設立された。持ち合い解消に伴う株式相場の混乱を防ぐと同時に、銀行経営が株価に左右されにくいようにして銀行の貸し渋りを防ぐねらいがある。機構が買い取った株式は十分な時間をかけて相場の混乱がないように市場に放出することになっている。機構は時限機関で2006年にいったん業務を停止したが、リーマン・ショックなどの金融危機のため2009年に業務を再開。その後、時限立法で業務期間をたびたび延長し、2012年の改正銀行株式保有制限法成立で買い取り期限は2017年3月末までとなった。機構は買い取った株式を市場に売却し終えた時点で解散する。2015年11月時点の累積買い取り額は2兆6622億円。所在地は東京都中央区新川。
 2001年4月の政府の緊急経済対策に、機構の創設構想が盛り込まれた。トップの理事長は銀行界から選ばれる。設立時の拠出金は107億円で大手銀行、地方銀行、農林中央金庫、信金中央金庫が拠出した。大学教授、公認会計士、弁護士ら有識者で構成する運営委員会が株式の買い取りの適否、買い取り期間、買い取った株式の処分などについて判断する。2002年2月から買い取りを始め、当初、銀行の保有持ち合い株や企業が保有する銀行株を買い取っていたが、上場投資信託(ETF)、上場不動産投資信託(REIT(リート))、優先株、優先出資証券へと買い取り資産を広げた。買い取り対象は銀行のほか農林中央金庫、信金中央金庫など。買い取り資金は、政府保証付きでの銀行からの借り入れや、銀行等保有株式取得機構債の発行で調達する。買い取り上限額は20兆円。買い取った株式を市場に売却して損失が出た場合、拠出金で穴埋めするが、拠出金を超える損失が出ると公的資金で穴埋めすることになる。[矢野 武]

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