どんな代償を払っても守らなければならない決心を示すときに使われる中国の外交用語。中国語では「核心利益」と表記する。絶対に妥協することはできない、武力行使も躊躇(ちゅうちょ)しない、などの意味がこめられている。「核心的利益」より弱い表現として「重要利益」と「利益」がある。
中国政府は2011年9月に発表した「中国の平和的発展」と題する白書で、核心的利益について、(1)国家主権、(2)国家の安全、(3)領土保全、(4)国家の統一、(5)国家の政治制度と社会の大局の安定、(6)経済・社会の持続的発展への基本的な保障、に関わるものと定義した。
江沢民(こうたくみん)や胡錦濤(こきんとう)までの中国の指導者は、国際会議などの場でチベットや新疆(しんきょう)の独立問題、ならびに台湾、南シナ海に言及するときによく「核心的利益」という語を使ってきたが、習近平(しゅうきんぺい)政権になってからその適用範囲が拡大され、2013年4月、中国外務省の報道官は記者会見で、中国が領有権を主張する沖縄県石垣市の尖閣諸島(せんかくしょとう)についても初めて「核心的利益」であると主張した。
[矢板明夫]
敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...
4/12 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
4/12 デジタル大辞泉を更新
4/12 デジタル大辞泉プラスを更新
3/11 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
2/13 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新