核磁気モーメント(読み)カクジキモメント

化学辞典 第2版「核磁気モーメント」の解説

核磁気モーメント
カクジキモメント
nuclear magnetic moment

原子核がもつ磁気モーメントをいう.原子を構成している核子の軌道角運動量の和をLスピンの和をSとすると,原子核の全角運動量I

ILS
であるが,原子核では普通このI核スピンとよぶ.核スピンIは核子の数が偶数ならば0または整数,奇数ならば半整数の値をとる.核磁気モーメントμはこの核スピンIによるもので,両者の間は

μ = gμNI
で結ばれる.ここで,μN核磁子とよばれる磁気モーメントの単位であり,gは核のg因子である.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典 第2版「核磁気モーメント」の解説

かくじきモーメント【核磁気モーメント nuclear magnetic moment】

原子核の磁気モーメント。ゼロと異なるスピンをもつ原子核はその状態によって決まる磁気(双極子)モーメントをもっている。これは原子核の構成要素である陽子中性子がそれぞれ磁気モーメントをもち,また陽子の電荷軌道運動をすることによって生ずる。その大きさは陽子の電荷をe質量mp,真空中の光速度をc,ħ=h/2π(hプランク定数)として,eħ/2mpc=5.050824×10-24erg/ガウス(=5.050824×10-27J/T)で表される核磁子を単位に測られ,電子の場合のボーア磁子の1800分の1程度である。

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世界大百科事典内の核磁気モーメントの言及

【磁気モーメント】より

…強磁性の場合,この微視的な電子の磁気モーメントの向きがそろい,巨視的な磁石の磁気モーメントとして現れる。電子の磁気モーメントに比較するとその大きさは1000分の1程度であるが,原子核もそれを構成する核子に由来する磁気モーメント(核磁気モーメント)をもっている。これらの磁気モーメントの起源となる回転運動は量子力学に基づくもので,したがって磁気モーメントも量子論的なものである。…

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