梯村(読み)かけはしむら

日本歴史地名大系 「梯村」の解説

梯村
かけはしむら

[現在地名]上九一色村梯

現上九一色村の北部、甲府盆地の南東縁に位置し、あし川渓谷中流域の山地に立地する。西は下芦川しもあしがわ(現三珠町)、北は右左口うばぐち(現中道町)。村名は芦川渓谷にかけはしの奇橋があったことにちなむという(甲斐国志)。中世は九一色郷に含まれた。中道なかみち往還が通る。慶長古高帳に梯とみえ高三〇石余、幕府領。文化(一八〇四―一八)初年の高四〇石余、家数五三・人数二二〇、馬三、枝郷に小臭木くくさげがある。山間の小村で、耕地は少なく畑作を中心に雑穀類の収穫のほか山稼によって生計を立てた。天正一〇年(一五八二)徳川家康入国に際して与えられた朱印状に替わる諸商売免許の鑑札が、代官の替わる度に与えられ、当村は六三枚を所有していた(甲斐国志)


梯村
かけはしむら

[現在地名]小松市梯町・梅田町うめだまち茶屋町ちややまち

梯川下流右岸にあり、川に架けられた橋近くの村が村名の起り。梯橋はもとは板を並べた仮橋で、寛永年間(一六二四―四四)堅固な橋に架替えられ、明和五年(一七六八)水害で流され、同八年石橋となる(小松市史)。村の東方を北陸街道、北方湊回みなとまわり往来が通る。北は御館おたち村、東は島田しまだ村、西は上牧かみまき村で、一帯は度々の水害に苦しんだ。「天文日記」天文一一年(一五四二)閏三月一八日条に、本願寺の御堂当番として直参門徒である梯の了願が上番し、了願の上番は同一五年一〇月二四日条にもみえる。


梯村
かけはしむら

[現在地名]山崎町梯

揖保いぼ川の支流梯川の上流域に位置し、南は五十波いかば村。慶長国絵図に「かけ橋村」とみえる。領主変遷田井たい村と同じ。正保郷帳に梯村とみえ、田方三石余・畠方二五石余。下村氏手控帳(下村家文書)によると、寛文―延宝(一六六一―八一)には四ツ成高一一石余、畑一町九反余、小物成銀二六匁余(茶役一一匁・山畑役五匁余・楮役五匁余・栗役四匁)、家数五・人数三四、馬三・牛五。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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