梵灯(読み)ぼんとう

精選版 日本国語大辞典 「梵灯」の意味・読み・例文・類語

ぼんとう【梵灯】

室町時代初期の連歌師梵灯庵とも。俗名朝山小次郎師綱。代々九条家の家司かつ足利幕府幕臣であったが致仕して出家連歌二条良基に学ぶ。各地を行脚し、晩年帰京し連歌界の中心となる。著書に「梵灯庵主返答書」「長短抄」など。生年、貞和五年(一三四九)か。没年未詳。

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デジタル大辞泉 「梵灯」の意味・読み・例文・類語

ぼんとう【梵灯】

[1349~?]室町前期の連歌師。出雲の人。俗名、朝山師綱もろつな足利義満に仕えたが、出家して各地を遊歴。連歌を二条良基に学び、その没後は連歌界の重鎮となった。著「梵灯庵袖下集」「梵灯連歌合れんがあわせ」「梵灯庵主返答書」など。梵灯庵。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「梵灯」の意味・わかりやすい解説

梵灯
ぼんとう
(1349―?)

室町前期の連歌師。俗名朝山小次郎師綱(もろつな)。出雲(いずも)国(島根県)朝山郷の出身で、足利義満(あしかがよしみつ)に近侍した。和歌冷泉(れいぜい)為秀に、連歌は二条良基、周阿に学んだ。1385年(元中2・至徳2)10月18日の石山寺倉坊での『何船(なにふね)百韻』などに一座。91年(元中8・明徳2)と1404年(応永11)に将軍の使者として九州薩摩(さつま)に下向。出家後、東国巡遊。晩年は京洛(きょうらく)の連歌界に復帰。『袖下(そでした)集』『長短抄』『梵灯連歌合』『梵灯庵主(あんじゅ)返答書』などの著があり、宗砌(そうぜい)の『初心求詠集』も、梵灯の教えを祖述したものである。『新後拾遺(ごしゅうい)集』『新続古今(しんしょくこきん)集』にも各一首入集されている。

[島津忠夫]

『木藤才蔵著『連歌史論考 上』(1971・明治書院)』

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