森永製菓(株)(読み)もりながせいか

日本大百科全書(ニッポニカ) 「森永製菓(株)」の意味・わかりやすい解説

森永製菓(株)
もりながせいか

老舗(しにせ)の菓子製造会社。1899年(明治32)アメリカで菓子の製造法を習得した森永太一郎(1865―1937)が東京に森永西洋菓子製造所を開業したのが発祥。1905年(明治38)には松崎半三郎(1874―1961)が参加し営業面を担当、10年には株式会社とし、12年(大正1)には森永製菓と改称した。1914年にポケット用ミルクキャラメルを、18年にはミルクチョコレートを発売、広告宣伝による大量販売を行って全国的に知られるようになった。1923年、26年に横浜鶴見(つるみ)と尼崎(あまがさき)塚口に新工場を建設、中国、朝鮮はじめ東南アジア各地まで販路を拡大した。第二次世界大戦後の1949年(昭和24)には乳業部門(1917創設)を森永乳業として分離、50年代後半には主力製品にビスケットを加え、以後アイスクリーム、飲料、スナック菓子と製品を多様化。1984年のいわゆる「グリコ・森永事件」では大きな痛手を受けた。資本金約186億円(2008)、売上高1496億円(2008)。国内に5工場、生産・販売・外食などを含み15の関連会社をもつ(2008)。

[森 真澄

『森永製菓株式会社編・刊『森永五十五年史』(1954)』『森永製菓株式会社編・刊『森永製菓一〇〇年――はばたくエンゼル、一世紀』(2000)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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