植物工場(読み)ショクブツコウジョウ

デジタル大辞泉 「植物工場」の意味・読み・例文・類語

しょくぶつ‐こうじょう〔‐コウヂヤウ〕【植物工場】

屋内温度湿度光量などを最適な状態コンピューターで制御して野菜栽培する施設四季を通じて一定価格で安定した供給ができる。また、安全性の高い生産や土地の有効利用などが可能。トマト・イチゴ・葉物を主に栽培。野菜工場

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共同通信ニュース用語解説 「植物工場」の解説

植物工場

光の量や温度、養分を機械で調節して最適な環境をつくり出し、野菜や果物を生産する施設。季節や天候に左右されず、年間を通じ安定生産でき、無農薬栽培が容易なのも強み発光ダイオード(LED)などで光を照射する人工光型と、ビニールハウスといった温室で育てる太陽光利用型に大別される。生産する野菜はレタスやトマトが中心。外食チェーンのサラダコンビニのサンドイッチ向けの業務用需要が伸びている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「植物工場」の意味・わかりやすい解説

植物工場
しょくぶつこうじょう

光、温度、湿度、二酸化炭素、養分などをコンピュータで管理しながら植物を栽培する施設、またその技術。野菜工場ともよばれる。天候に左右されずに年間を通じて野菜、花卉(かき)などを栽培できるため、価格の乱高下を抑える利点がある。発光ダイオード(LED)で光の波長を変えるなどして、植物の栄養価を人工的に高めたり、薬効成分を増やしたりする研究も進んでいる。

 1957年、デンマークのクリステンセン農場でスプラウト(植物の新芽)を栽培した事例が植物工場の起源とされ、施設園芸や水耕栽培の延長にある技術である。温室等での太陽光の利用を基本とし、人工光による補光や夏季の高温抑制技術を用いて栽培する太陽光利用型と、閉鎖環境で太陽光を用いずに栽培する完全人工光型の二つに大別される。とくに完全人工光型は病害虫の心配がないため農薬を使わず、環境にやさしい植物栽培を実現できる。化学会社や食品会社など民間企業の農業参入を促す効果も期待でき、日本では経済産業省と農林水産省が補助金などで普及を支援している。

 現在は電気代や設備費などのコストがかさむため、作物の価格が割高になる傾向があり、弱い光でも育つリーフレタス、ハーブ、野菜の苗などが中心で、栽培できる植物が限られている。今後、次世代型の太陽電池、蓄電池、LEDなどの普及で、栽培コストが低減すると期待されている。

[編集部]

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